“コンテンツマーケティング”という言葉は、今やその意味を知らない人はいないというほど浸透しているマーケティング手法です。主にWebサイト上で動画コンテンツや記事コンテンツを通じて有益な情報を発信して、ターゲットに見つけてもらうことでWebサイトへ呼び込み、共感・納得してもらい、最終的には購買やリピートへと誘導するものです。
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ただし、コンテンツマーケティングを実施することで具体的にどういったメリットがあるのか、あるいはどういったデメリットがあるのか、これを知る人は少ないように感じます。
ネイティブアド事業を展開するグローバー社と、デジタル領域専門の市場・サービス評価機関のデジタルインファクトが共同で行ったコンテンツマーケティングの実施同行調査によれば、コンテンツマーケティングに取り組んでいる企業は83%にのぼります。ただし施策別では記事広告の出稿が過半数を超えており、「純粋なコンテンツマーケティング」に取り組んでいる企業は少ないようです。
ここで言う「純粋なコンテンツマーケティング」とは、リスティング広告やネイティブアドなどの広告施策を使用せず、コンテンツを通じた情報発信だけでマーケティングを実施するものです。
今回はそんなコンテンツマーケティングを実施するメリットとデメリットについてご紹介します。
コンテンツマーケティングのメリット
1. 広告施策よりも低予算で、かつ敷居も低い
Web上のマーケティングで最も取り組まれているのがデジタル広告です。といっても様々な種類があります。GoogleやYahoo!の検索結果ページにテキスト広告を表示する“リスティング広告”、コンテンツの中に溶け込ませる形で広告出稿する“ネイティブアド”、ソーシャルメディア内で出稿する“ソーシャル広告”などがあります。
これらの広告施策はいずれも、広告がクリックされたり最後まで閲覧・視聴されることで費用が発生します。ただしクリックしたユーザーすべてが商品を購買したり、サービスを利用してくれるわけではないですね。デジタル広告では一般的にCTR(クリック率)が0.1%、CVR(コンバージョン率)が1%と言われているので、10万回広告が表示されてやっと1人コンバージョンに至るという計算です。
それに加えてデジタル広告の価格は年々上昇傾向にあるため、まとまった予算が必要ですし、入札額や入札キーワードを常に調整する必要があるので難度も高いでしょう。
対してコンテンツマーケティングは情報を発信するためのWebサイト制作費用と、コンテンツにかかる費用だけなので低予算で始められます。ターゲットの設定や動線設計など細かい施策は大切ですが、デジタル広告よりも低い敷居で始められるでしょう。
2. コンテンツは資産として蓄積され、継続的に効果を発揮する
制作し、Webサイトを通じて発信したコンテンツはそこで消えるわけではありません。一度発信したコンテンツはWeb上に残り続け、半永久的にユーザーを引き付けます。もちろん、ユーザーにとって有益な情報を発信していたり、情報の更新がされている場合です。
ちなみにそうして継続的に集客し続けるコンテンツは総じて“ロングテールキーワード”が使用されています。これは、その時々のトレンドに乗じたコンテンツではなく、長きに渡ってユーザーが持ち続ける疑問に答えた情報や、時間が経過しても内容が変わらない情報などを取り入れたコンテンツです。
3. ユーザーが能動的に情報を見つけるため集客効率が良い
コンテンツマーケティング最大の特徴は「ユーザーに見つけてもらうマーケティング」だということです。ユーザーの検索結果に応じて内容が変化するリスティング広告は、ある意味ユーザーが能動的にたどり着くものですが、広告という時点でマスマーケティングのような受動的な印象を受けます。入札額によって表示される広告が変わるため、情報の質も問われません。
それと違ってコンテンツマーケティングは完全にユーザーが能動的にコンテンツを見つけ出します。ユーザーは、自分の疑問などを解消するためにインターネット検索を使い、検索結果に表示された中からコンテンツを自ら選びます。
そのためデジタル広告に比べて集客効率が圧倒的に高く、費用対効果が高いマーケティングです。
4. ソーシャルメディアを視野に入れた施策を展開できる
ソーシャルメディアは今やユーザーにとって生活の一部とも言えるメディアです。ユーザーは自分が有益だと感じたコンテンツや、あっと驚いた情報をソーシャルメディア上でシェアしていきます。それを見た他のユーザーが共感すれば、コンテンツはさらにシェアされていき情報は拡散していきます。
コンテンツマーケティングではこうしたソーシャルメディアの拡散力を視野に入れて施策を展開することもでき、柔軟性が高いマーケティングでもあるのです。
5. 業界のオピニオンリーダーとして成長できる
日本の中小企業は、世界的に見てもかなり高い技術力を保有しています。財務省が発表した「四半期別法人企業統計調査(平成30年1月~3月期)」によると、資本金1,000万円以上1億円未満の企業は、資本金1億円以上10億円未満の企業よりも売上高経常利益率が高い傾向にあります。この調査からも「日本の中小企業は強い」ということが読み取れます。
ただし、大企業に比べて資本力が弱いがためにブランディングに苦労するという点に課題が多いでしょう。コンテンツマーケティングならば、ユーザーにとって有益な情報を発信し続けることで業界のオピニオンリーダーとなり、大企業にも匹敵するブランディングに成功することができます。
コンテンツマーケティングのデメリット
1. すぐにマーケティング効果が表れない
コンテンツマーケティングはWeb上でコンテンツを通じてユーザーとコミュニケーションを取ることで集客や販促活動、ファン化へと繋げていく施策です。そのため製品やサービスに関する有益な情報を発信してWebサイトにユーザーが集まっても、すぐにコンバージョンに繋がるとは限りません。
どれくらい実施すれば費用対効果が現れるかを予測することが難しいので、担当者がコンテンツマーケティングへ熱心に取り組もうとしても、上司や経営層の理解を得ることが難しい面があります。
2. コンテンツを発信し続ける必要がある
コンテンツマーケティングにてコンテンツを発信したい頻度は、理想を言えば毎日です。ユーザーにとって有益な情報を毎日発信し続ければ、それだけ早く費用対効果を得ることができます。
ただし、コア業務に集中しつつコンテンツを毎日制作・発信することは難しいので、多くの場合はコンテンツマーケティングを外注したり、数日置きにコンテンツを発信するというのが通常です。
まとめ
メリットがあれば必ずデメリットもあるので、コンテンツマーケティングにおいてもこれらを正確に把握することが成功への第一歩になります。
コンテンツマーケティング成功のための最大ポイントはユーザーの気持ちになったコンテンツの提供にあります。製品を押し売りするようなコンテンツですとユーザーは敏感にそれをキャッチするでしょう。
そのポイントを意識しながら継続するとコンテンツは自社の資産となり大きな成功を納めてくれるはずです。まだ、コンテンツマーケティングを実施していないという企業は、この機会にぜひご検討ください。
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