数年前まで動画はパソコンで視聴するのが当たり前でしたが、今ではスマートフォンで誰でも気軽に動画を視聴可能となりました。
それに伴い企業でも動画を活用する動きが広がっています。特に事例動画と呼ばれるジャンルはユーザー側の視点で自社製品・サービスの良さをPRできるため新たなプロモーション手段として注目されています。
そこで本記事では、動画の特徴や活用メリットに触れながら、事例動画を制作する際のポイントを紹介します。
動画マーケティングの現状
近年、ターゲットに情報を届ける手段として動画を積極的に活用する企業が増えています。
理由の1つが生活者の環境変化です。端末や通信環境が整ったことに加え、スマートフォン所有が全世代に渡ったこと、さらにSNS等で日常的に動画を視聴するようになったことがあります。
もう1つ大きな理由が、制作環境の変化です。従来は動画制作には効果なプロ向け機材や編集するための専門知識が必要で、スキルを持つ人だけが制作可能なものでした。しかし技術進化によってスマートフォンカメラやコンシューマー向けカメラでも高精細な動画を撮影できるようになりました。加えて、編集についての専門知識も不要で、コストも抑えられる動画制作ツール・サービスが普及したことにより、動画制作のハードルが下がっています。
今では社員が動画をスマートフォンで撮影して加工し、YouTubeやオウンドメディア、SNS等にアップしている企業も珍しくありません。Webコンテンツでもテキストや静止画から動画へのシフトが進んでいます。
特にインターネット広告は動画へのシフトが顕著です。2020年3月に電通が発表した「2019年 日本の広告費」によると、動画広告の伸びは前年比157.1%と大きく伸長、インターネット広告媒体費の約2割(3,184億円)を占めるまでになっています。この流れは今後も続くと見られており、動画広告が今後のインターネット広告で占める割合はさらに増えると考えられています。
5G登場でさらに加速か
2020年に商用サービスが開始した5Gの影響も見逃せません。5Gとは第5世代移動通信システムの略で、超高速・大容量、超低遅延、多数同時接続が特徴のモバイル通信網を指します。5G対応のスマートフォンも市場に出始めており、超高速・大容量の特徴を生かしたVRコンテンツや超高精細動画の提供も始まっています。
5Gはまだサービス提供が始まったばかりですが、今後普及と共にさらに動画コンテンツの高品質化と視聴拡大が進むと予測されており、今以上に動画の視聴頻度、視聴時間が増加すると見込まれています。
これほど動画シフトが進んでいるなか、企業がブランディングや採用、営業などに動画を活用する流れは当然と言えるでしょう。
動画コンテンツのメリット
動画を活用すべき理由はいくつもありますが、ここでは企業が動画コンテンツを活用するメリットとして、特に以下の3点を紹介します。
情報量が多い
動画は、音とテキストと画像を一緒に時間軸で伝えられるため、テキスト単体、静止画単体と比較して格段に多くの情報を視聴者に届けられます。サービスのイメージが伝わりやすい
テキストや静止画だと実際の利用イメージが伝わりにくい商品も、動画であれば具体的な利用方法を伝えられます。また洋服など素材感やサイズ感など細かく知りたい場合にも、実際にモデルが着用した動画を使うとより細かく情報を伝えられます。拡散力の高さ
動画は、テキストベースのコンテンツよりもユーザーの興味を惹きやすく、拡散されやすいという特徴があります。
特にInstagramやTwitterといったSNS上で配信する動画広告は、多くのユーザーの目に触れる機会が多くなります。コンテンツが人に伝えたくなるような内容であれば、そのまま友人にシェアしてもらうことができるでしょう。そうなれば、短期間に、かつ効果的に拡散してもらえる可能性も生じます。
事例動画を成功に導く4つのポイント
最近企業で増えてきているのが自社サービスの導入事例を動画にした事例動画です。
ユーザー側の視点で製品・サービスの導入経緯や効果などを語る事例動画は、提供側が勧めるよりも営業色が薄まりユーザーに視聴してもらいやすくなります。さらに動画にすることによって、短時間でアピールポイントを見込み顧客に伝えられます。比較的低コストで制作できる点も魅力です。
今回は、このような事例動画の制作を検討する際に押さえておきたい4つのポイントを紹介します。
目的の明確化
事例動画制作にあたり、まず行うべきことは「目的を明確にすること」です。
ありがちなのが「今動画が流行っているから、自分たちも動画を作ろう」というように目的と手段が逆になってしまうことです。動画制作が目的化してしまうと、失敗しがちです。
そのため、社内でディスカッションして「既存顧客層と異なるターゲット層にアプローチして商品の特徴を知ってもらいたい」など、動画によって自社のどんな課題を解決したいのかを明確にしておくことで、その先のステップもぶれずにスムーズに進みます。
ターゲットの明確化
動画を制作する目的が明確になった後に行うのが、「ターゲットの明確化」です。Webコンテンツの企画と同様、自社が期待した効果を得るためにはターゲットを絞り込んだほうが効果的です。
「都内在住の20代独身男性、IT企業勤務、休日はネットでガジェット情報をチェックするのが趣味」などペルソナを設定するとターゲット像が明確になり、社内でイメージを共有しやすくなります。
ターゲットを絞り込まないと狙った効果が出にくくなります。万人受けする動画は見た人の心に残りにくく、効果が薄くなるためです。
さらに自社が設定したターゲット、ペルソナに合わせて、YouTubeやInstagramなど、どのプラットフォームを利用するのが適切かも考えておくとよいでしょう。
利用者視点のシナリオ作成
動画制作のステップでは、「シナリオ」を用意します。製品メリットや特徴を伝えたいという気持ちがあるとどうしても提供者側の目線で説明しがちです。しかしユーザーの心に響くのは、ユーザーの目線に立って展開する動画です。
事例動画で一般的なスタイルは、「担当者が、製品・サービスを実際に利用して話す」というものです。そのためユーザー側の視点を取り入れることは比較的容易と言えるでしょう。
動画の品質にこだわる
最後のポイントは、「動画の品質」です。とはいってもテレビCMのように多額の費用をかけて高クオリティの動画を制作するということではありません。
視聴者にストレスを与えないように、丁寧に動画を制作することが大切です。特に事例動画の場合は単調な動画になりやすいため、動きを出すために複数のカメラで撮影するなどの工夫が必要です。内製では難しい場合は制作会社に外注するという選択肢もあります。
また動画というと映像にばかり気を取られがちですが、BGMやナレーションなど「耳から入る情報」も重要な要素です。自社製品・サービスのイメージに合った音声や、動画を邪魔しない音声を厳選すると、よりよい動画に仕上がります。
まとめ
動画を制作する際には、目的やターゲットを明確にしてからコンテンツを企画・制作することが重要です。自社製品・サービスを紹介する事例動画であればなおさら、ターゲットが興味を持つような内容を含めることで、効果的な内容に仕上げることができるでしょう。
最近では高まる需要に合わせて専門知識がなくても動画を制作できる、さまざまなクラウドツールもあります。また、制作会社に外注する場合も比較的低コストで依頼することが可能です。自社の制作体制に合わせてよりよい選択肢を見つけてみてはいかがでしょうか。
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