Webサイトを運営する企業にとって“コンテンツマーケティング”と“SEO”という施策は、今や実施していた当たり前の時代です。しかし、「コンテンツマーケティング=集客手段」と誤解している方が多く、ゆえにSEO(検索エンジン最適化)と混同されがちです。
もしも皆さんが、Webサイトを活用してビジネスを成功に導きたいのであれば、コンテンツマーケティングとSEOの違いを理解するべきかもしれません。もしかすると、適切な理解をしていないがために、コンテンツマーケティングが行き詰まっている、という方も多いのではないでしょうか?
本稿ではそんなコンテンツマーケティングとSEOの違いを理解していただくために、できる限り分かりやすくその違いを解説していきます。「コンテンツマーケティングとSEOと同じようなものじゃないの?」という方は、このまま読み進めてその違いを理解しましょう。
コンテンツマーケティングとSEOはまったくの別物?
コンテンツマーケティングは、デジタル上で発信するコンテンツ(記事、動画、グラフィック)を主体に、それを適切なターゲットに届けて有益な情報を提供し課題を解決したり、商品やサービスを訴求したり、企業ブランドへのロイヤリティを高めるためのデジタルマーケティングです。
一方SEOは“Search Engine Optimization(検索エンジン最適化)”といって、GoogleやYahoo!といった検索エンジンのアルゴリズムを理解することで、コンテンツを検索結果上位に表示するための施策です。
この説明だけではまだ、コンテンツマーケティングとSEOの違いは見えてきません。「だから、SEOを使うマーケティング手法がコンテンツマーケテイングでしょ?」と考えた方が多いでしょう。
そこで米Content Marketing Instituteが発表した「What Is Content Marketing?」から、コンテンツマーケティングの定義を引用してみましょう。
“Content marketing is a strategic marketing approach focused on creating and distributing valuable, relevant, and consistent content to attract and retain a clearly defined audience — and, ultimately, to drive profitable customer action.”
「コンテンツマーケティングとはユーザーにとって価値と一貫性があり、かつ適切なコンテンツを届けることに重点を置いた戦略的マーケティングであり、明確なターゲットを引き付けて保持し、最終的には収益の高い購買行動へと導いていきます。」
この定義から「コンテンツマーケティングはSEOを実施することだ!」とは言えません。なぜなら、コンテンツマーケティングの目的はコンテンツにユーザーを惹き付けるだけでなく、そこからユーザーを保持(いわゆるファン化)し、最終的にはしっかりと収益に繋げていくための施策だからです。
例えばSEOを実施したとして、その施策が適切なものならば自然検索からの流入を獲得することができます。しかし、ユーザーがたった一つのコンテンツに触れただけで果たして収益に繋がるでしょうか?答えは当然「No」です。SEOはあくまでユーザーを集客するための手段であり、それ自体がコンテンツマーケティングではないのです。
他に忘れてはならないことは、ユーザーの流入元はGoogle検索やYahoo!検索だけではないということです。近年ではソーシャルメディアや他Webサイトからのリンクなど、あらゆる流入を想定したマーケティング施策が欠かせません。
コンテンツマーケティングは様々な経路から流入するユーザーを自社Webサイトに保持した上で、最終的に高い収益を生むことが目的なのです。そのため動画や無料eBook、ホワイトペーパーなどを活用して、段階的にユーザーの購買意欲を高めるような施策も欠かせません。
だからこそ、「コンテンツマーケティング=SEO」と考えてしまっているWebサイトのマーケティングは成功しないのです。
コンテンツマーケティングはSEOと誤解しているWebサイトに生まれる弊害
コンテンツマーケティングとSEOを混同していると、具体的にどういった弊害が発生するのでしょうか?次の2つのパターンが考えられます。
自然流入からのユーザーしか集客できない
Google検索やYahoo!検索といった自然流入からWebサイトへアクセスを集めることはとても大切です。コンテンツと該当するキーワードで検索をしたユーザーは、何かしらのニーズを持っている可能性が高いからです。さらに、コンテンツへのアクセスが増えることで自然と検索結果上位を維持できます。
しかし、コンテンツマーケティングとSEOを混同していると自然流入からのユーザーしか集客できず、それ以外のユーザーにアプローチできない傾向があります。前述のように、最近ではSNSなどのメディアからの流入も増えており、全体を俯瞰した上で施策を展開しなければいけません。
商品やサービスのターゲットが“非検索ユーザー”だった場合もあるでしょう。このような場合には、いくらコンテンツへのアクセスを集めても、ビジネスは一向に成功しません。
コンテンツが集客目的になりがち
ターゲットとするユーザーが情報検索を得意とする場合でも、コンテンツへアクセスを集めるだけでは不十分です。コンテンツマーケティングでの集客はあくまでスタートであり、そこから様々な施策や動線設計によって収益へと繋げていく必要があります。しかし、コンテンツマーケティングとSEOを混同しているWebサイトでは、どうしても集客目的のコンテンツに集中しがちです。
SEOに注力しているだけでは当然ビジネスは成功しません。何よりも大切なのは集客のその先なので、ユーザーがコンテンツにアクセスしてからの施策を綿密に計画し、適切な動線設計を講じることが大切です。
このように、コンテンツマーケティングとSEOを混同していると、大きな弊害が生まれます。これはビジネスの成功を阻害するだけでなく、Webサイトという優秀な営業ツールが成長しないことを意味します。
「Webサイトへのアクセスは順調に集まっているのになかなか成果が上がらない…」という問題の陰には、こうしたカラクリが存在していたのです。
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コンテンツマーケティングを成功させるためには?
ここまでの内容で、コンテンツマーケティングはSEOに注力しているだけでは成功しない、ということを理解いただけたのではないかと思います。では、SEO以外にどういった施策を実行すればコンテンツマーケティングは成功するのでしょうか?
無料eBookやホワイトペーパーを配布する
無料eBookやホワイトペーパーは、一つのコンテンツには掲載しきれない有益な情報をまとめたものです。これらをユーザーに配布することで、商品やサービスについてより具体的な検討を促したり、商品やサービスをより強くアピールします。もちろんタダで配布するのではなく、Webサイトへの会員登録を条件に配布すれば見込み客として管理することも可能です。
動画を活用して理解力を高める
多くの人々は日々忙しいものです。Webサイトの訪問して、一瞬で有益なサイトかどうかを見抜き去っていきます。つまり訪問した瞬間で明暗を分けるといっても過言ではありません。短時間で少しでも理解度を高めてもらい世界観を共有するための手段として動画が最適です。動画を活用してユーザーの心に残るコンテンツマーケティングを実践してみてはいかがでしょうか。
セミナーへ繋げる
ビジネスとして成功率が高いケースはセミナーに参加したユーザーに営業をかけることです。そこでコンテンツマーケティングでビジネスを成功させようとするのではなく、あくまでセミナーへ導くための動線とします。
ECサイトへ誘導する
BtoCビジネスの場合、コンテンツマーケティングだけで収益に繋げることは難しいので自然な形でECサイトへの流入を促します。さらにコンテンツとECサイトの整合性を取ることで、一貫したマーケティングを実行できるでしょう。
このように、コンテンツマーケティングの活用方法は色々とあります。コンテンツマーケティング自体を営業ツールと考えるケースもあれば、あくまで最終目的へのワンステップと捉えるケースもあります。
どのケースでも大切なのが複数の施策を組み合わせることと、適切な動線設計によってユーザーを購買へと導くことです。これまでコンテンツマーケティングが上手くいかないと感じていた方は、この機会にコンテンツマーケティングとSEOの違いに目を向けてみましょう。
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