スマートフォンやタブレットの普及によって動画コンテンツを視聴する機会が格段と増加し、動画視聴は私生活の一部とも言えるほどになりました。次第に、動画が持つコンテンツ力をビジネスで活かすことはできないか?と考え、現在のような動画ビジネスが急速に拡大していきます。そんな動画を、医療現場に採り入れる活動が増加しており、幅広いシーンで活用されています。
そこで本記事では、待合室での映像や医療マニュアル動画、患者向け症状説明のための動画など、医療現場で動画を活用するメリットを解説します。
待合室は居心地が悪い?
まずは待合室映像についてご紹介します。病院の待合室というのは、診療に来た患者にとって非常に居心地の悪い空間だということをご存じでしょうか?
興味深い資料があります。患者の視点に立った医療サービスを行うために、患者の欲求を客観的に把握しようとした試みです。
この調査では内科初診5名、内科再診5名、外科初診5名、外科再診5名、器官センター4名を対象に、待合室での行動をつぶさに観察しました。その結果、手の動きとして多かったのが手をこする(14.5%)、あごを触る(9.4%)、腕を組む(8.9%)となり、足の動きとして最も多かったのが足を組む(47.3%)でした。
参考:特集・看護体制と人間工学:外来患者の待合室における行動調査の試み
以上の行動を心理学的に考えると、「不安を隠そうとしている」「警戒心を持っている」「優位に立とうとする」「ストレスを感じている」などの心理が読み取れます。つまり、多くの患者にとって待合室を居心地の悪い空間なのです。
待合室での待ち時間を有効活用する!
自身が通院する病院を患者はどう選んでいるのか?これは、よほど急病であったり命を左右するような症状ではない限り、医師の腕が良いかどうかではなく、医師や看護師の応対品質や病院そのものの雰囲気・ブランドを重視する患者が多いのが実情です。物理的な距離や病院の設備もあまり関係はありません。つまり医師や看護師が態度良く患者に接しているか、あるいは待合室での居心地の良さを感じられているかが重要な要素と言えそうです。
ほとんどの患者の場合、医師の腕が良いかどうかという点に関して、明確な判断基準を持っていません。医師免許を取得しているのであれば一定のスキルを所持していることが証明されていますし、患者は専門的な医療の知識を持ち合わせていないため、明確な判断はできないのです。だからこそ、医師や看護師の態度、病院内の雰囲気の良さなどを重視しているのでしょう。
では、医師や看護師が患者と接する機会の少ない待合室を居心地の良い空間にするためにはどうすればよいのか?
待合室映像の効果
その答えが待合室映像です。院内にリラックス効果のあるBGMを流している病院は多いものの、待合室映像を取り入れているところは少ないでしょう。しかし、BGMを流すよりもはるかに効果的です。まず、映像には動きがあるため患者の注意を引き付ける効果があります。対して興味のない番組でもテレビの電源が付いていれば、無意識に視聴している経験はないでしょうか?これを同じように、待合室映像には興味がない患者でも、待合室という非日常的な空間でのストレスを少しでも軽減しようと、もしくは暇を回避しようと、流れている映像を自然と見るようになります。おそらくこんなに映像を見てくれるシチュエーションはあまりないのではないでしょうか。
では、映像内容としては何が適切なのか?一般的には病院の施設紹介や設備紹介、医師や看護師、その他のスタッフを紹介するといった映像内容が中心です。これに加えて行政や地域の情報を流しておくと、患者にとって有益な情報を発信するためのコンテンツとして機能します。また、健康のための映像も効果的と言えるでしょう。
待合室映像は患者と病院の新しいコミュニケーションの形になり、待合室の居心地の悪さを軽減しながら、映像内容によって院内の雰囲気づくりにも貢献してくれます。
医療マニュアル動画で業務効率を向上させる
業務マニュアルを作成するにあたり、動画コンテンツを活用するケースは増えています。業務マニュアルは一般的にExcelやPowerPointで作成した資料を印刷し、紙のマニュアルとして管理されています。しかしこの紙のマニュアルというのは、想像以上に非効率的なものです。ある業務においてマニュアルを確認したい時、紙で管理されたものは探すのにも理解するのにも手間がかかります。そもそも存在すら忘れられているケースもあるでしょう。また、文章や挿絵だけでは細かいニュアンスまで伝えることが難しいため、新人教育にもあまり活用できません。
しかし、医療現場でも、そうした紙のマニュアルが一般的でした。ではこれを、動画コンテンツに置き換えるとどうでしょうか?まず業務の大まかな流れから作業手順、細かい点までハッキリと伝えることができます。
医療マニュアル動画は新しい機器を導入した際にも有効です。医療機器は複雑かつ繊細なものが多いため、常に正しく丁寧な扱いが必要になります。導入の際は紙のマニュアルを読んで理解するよりも、動画を視聴して具体的なイメージを膨らませる方が、医療機器への理解度は向上するでしょう。
また、紙のマニュアルによる印刷作業が無くなることで、印刷費用や保管費用を削減することにも繋がります。医療マニュアル動画をクラウドで展開すれば、働き方改革にも貢献できるでしょう。
患者様説明資料を動画にする
実は多くの患者が長い待合室での順番待ちに辟易としています。あってはなりませんが1時間待って3分の診療、簡単な説明の後に、電子カルテへの書き込みなどという状態では信用も失い兼ねません。
患者様説明資料を動画にすることで患者と医者の双方が時間を有効活用することができますし、要点が明確に伝わるため患者にとってもわかりやすくて安心でしょう。また、医者ごとの説明のばらつきにも対応することができますので信頼のおける状態を作り出すことができると考えられます。
医療現場での動画コンテンツ活用のポイント
医療現場において動画コンテンツを活用するにあたり、ポイントとなるのは企画設計です。病院では患者とのコミュニケーション面において様々な課題を抱えていることでしょう。ただし、それらのすべてを一挙に解決させることは難しいのが現実です。そこで、優先的に解決したい課題を見つけ、動画コンテンツでどのようなアプローチできるのかを考えることが重要です。この機会にぜひ、病院現場における動画コンテンツ活用を検討してみてください。
弊社、ヒューマンセントリックス では医療現場での動画のノウハウがありますのでぜひ一度お声がけいただければ幸いです。
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