BtoB企業向け動画の企画、制作の会社を始めて、この6月で丸14年。
当時、既存の制作会社があまり行っていなかった営業やエバンジェリストのプレゼンテーション動画を中心に展開し、今では、セミナー、展示会、採用、教育、IR活動など、幅広く、活用いただいています。
このコラムを通して、何度も、お話ししているたとおり、動画は、何らかの目的を
達成させるための手段(ツール)です。
だから、動画を制作する際は、必ず、事前に、その目的や利用シーンを確認しています。
そこで、最近、増えてきたのが、MA(マーケティングオートメーション)で動画を活用したいというリクエストです。
MAについては、ツールベンダーや、コンサルティングなど、それぞれの立場で、「最適なMAとは」について、数多く語られています。
ここでは、動画制作会社の立場で、なぜ、MAで動画が使われるのか、また、MAで最適な
動画について、お話しします。
MA導入済み、あるいは検討中のお客様アンケート
ツールベンダーや、コンサルティング会社主催のセミナーで、何度かお話をしました。
その際、アンケートをお願いするのですが、MA導入済み、あるいは検討中のお客様にとって動画は、期待のコンテンツであるというのが、良くわかります。
アンケートによると88%のお客様が、1年以内に動画の導入を検討しており、また、90%があるレベルの予算をイメージいただいています。
つまり、内製でなく、ある程度お金をかけて、外部に依頼したいと思っています。
ただし、予算的には、10万円~30万円くらいが圧倒的に多く 会社紹介や製品紹介で利用する動画の平均的な予算(50万円前後)に比べて 低い傾向にあります。
なぜ、MAで動画なのでしょうか?
米国の動きをみれば、日本の将来が見えるということで、2015 B2B Video Content Marketing Survey Resultsの調査から一部抜粋しました。
- 96%が動画マーケティングを実施
- 83%がウェブサイトに動画を使用している
- 73%がマーケティングにプラスの結果がでている
- 50%がメールマーケティングに動画を使用している
- 41%が動画マーケティングの支出を増やす予定
- 75%がSEO対策に動画は有効である
米国のBtoB企業のほとんどが動画マーケティングを実施しており、多くの企業がマーケティングにプラスの効果をもたらしているという調査結果です。
つまり、動画には、視聴した人が次の行動を起こす力がある・・・
この連載の第一回でお話しした 「動画力」がマーケティングで力を発揮しているということが調査結果より 推測できます。
動画を掲載するとクリック率が高くなります
それは動画への期待の表れです。
動画であれば、きっと下記のような事がもたらされるだろうという期待です。
- 伝えたい情報が整理されているだろう
- 圧倒的な情報量で理解しやすいだろう
- 圧倒的な表現力で印象に残るだろう
- 疑似体験(お客様事例、最新施設)できるだろう
また、セミナー集客で使える動画のポイントは
- 90秒以内
- 登壇者の熱量が伝わる
- スピード感
- 遊び心も少し加える
短く登壇者の思い(熱量)を語っていただくような動画は、動画専門会社に頼らずとも、制作可能です。その際は、映像だけでなく、ピンマイクなどを使って音声もしっかりと撮ることに留意ください。
動画力をマーケティングオートメーション(MA)に使う
動画力とは、「伝えたいものを動画を使って表現し次の行動を促す力」です。
顧客は、コンテンツを見て、次の行動に移り、引き続きいくつかのプロセスを経て、問い合わせに至ります。
AIDMA(アイドマ)の法則、AISAS(アイサス)など、一般的に言われているような購買プロセスがありますが、私は、問い合わせまで至る流れとして、「課題の認知」→「調査・理解」→「検討」の3段階で、次の段階に進むよう動画を活用いただいています。
前にも触れましたが、動画は、目的を達成させるための手段の1つ。何も、全てのプロセスに動画を使う必要はありません。顧客の目的、サービス内容、既にお持ちのコンテンツなど考慮しながら、MAの一部を担えるような動画を案内しています。
これより、いくつかの事例をご覧いただきます。
課題の認知で使える動画
いわゆる「つかみ」です。前述のセミナー集客と同様 いかに、短時間で、訴求させるかがポイントになります。
帳票とBI(Business Intelligence)ツール、サービスで国内トップシェアのウイングアーク1st株式会社は「BIするならウイングアーク」のキャンペーンで45秒動画を使っています。
https://www.youtube.com/watch?v=qmRrsZln5Ec
FacebookやYouTube広告経由で、プライベートイベントや、オウンドメディアにスムーズに誘導でき、投資対効果の高さを実感いただきました。
調査・理解で使える動画
何となく興味をもった顧客に対して、信用や安心感を醸成していくことが次の段階として重要となります。すでに、興味がある顧客が対象なので、最大5分くらい使ってサービス説明を行うことができます。
リサーチ業務及び外食・小売・サービス業界を中心とした経営コンサルティングサービスで、急成長の株式会社MS&Consultingは、自社サイトに訪問した顧客に、サービス内容をより理解いただくために、会社およびサービス紹介をトップページに、掲載しています。
https://www.msandc.co.jp/
さらに、サービス利用の疑似体験をしていただく場合は、「 お客様事例」が最適です。
前述のウイングアーク1st株式会社は製品、サービスごとにわかりやすく整理し、BI活用の先進的な事例を動画を使って発表しています。
https://www.youtube.com/watch?v=LAq8pCcwXT4
検討で使える動画
ここまでくると、さらに長い時間を顧客に使っていただけます。
詳細説明や、機能デモなどが、最適な動画となります。
詳細説明の場合は、そのサービスに思いを持っているトップやエバンジェリストに登場いただくのが効果的です。
データサイエンスをテーマに快進撃を続ける株式会社データビークルは、業界での有名人・油野社長と、統計学のカリスマと言われている西内取締役による詳細説明で、顧客に学んでいただき、信頼と購買意欲の醸成に努めています。
https://www.youtube.com/playlist?list=PLp4JfhP6lQYMYtrfjiCivDGuVytfh9I7x
MAで使える品質が高く、リーズナブルな動画制作のポイント
各段階における品質が高く、リーズナブルな動画制作のポイントを説明します。
つかみフェーズ=課題の認知で使える動画
インパクトのある動画を制作するなら、コンセプトだけ固めてあとはプロに一任するのが良いでしょう。プロモーションや、表現に対する固定観念が強いと新しいものは生まれません。また、遊び心は、動画に限らずコンテンツの魅力を底上げします。
製品説明&事例=調査・理解で使える動画
製品説明については、まずシナリオを固めて、次にシナリオにそって動画でわかりやすく訴求していくという手法です。1分300文字を目安に、1500文字以内くらいに収めるよう心がけます。
事例については立場の異なる2、3名のお客様に登場いただきます。
その製品サービス利用を決定した人、利用している人、管理している人といった具合です。原稿をあらかじめ用意して、それを読んでいただくような場合もありますが、できるだけ、自然な言葉で、構成していくほうが、効果的な動画に仕上がっていきます。撮影現場での雰囲気づくりとお客様との信頼関係がとても、大切です。
詳細説明=検討で使える動画
効果的なのは責任者のプレゼンテーションです。製品サービスそのものの説明以上に それに対する思いや熱量に対して、共感が生まれます。 内製する場合は、クリアな画面とクリアな音声に配慮ください。
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最後に、ユーザーが陥りやすい罠
数多くのプロジェクトに携わってきて、概ね、言えることは、 担当者が、製品・サービスに思い入れが強くあれもこれも詰め過ぎ、 動画が長くなりがちです。もし、あなたが顧客だったら、どうでしょうか?
BtoB企業においては、サービス説明者であると同時に、サービス利用者でもあります。
まずは、「何がお客様にとってメリットか?」常に念頭に置きお客様の立場になって考える習慣をつけることが重要です。
まだ、動画経験が少ない顧客に対して、それをいかに説得して納得いただくかが、動画会社の腕の見せどころでもありますが・・・
最後まで、ご覧いただきありがとうございました。
次回コラムも、どうぞ、ご期待ください。
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