動画制作の依頼を検討している企業担当者の中には、実際に依頼する前にどのような準備をすれば良いのかわからないという方もいらっしゃいます。実は私どものような動画制作会社が社内で準備しているヒアリングシートを理解すれば、発注者側にとって準備しやすいものとなります。
本記事では、動画制作におけるヒアリングシートの概要から記載すべき項目、発注から納品までの流れまで紹介しているので参考にしてください。
ヒアリングシートとは? 動画のイメージを共有するために重要
ヒアリングシートとは、どのような動画を作りたいのかを制作会社が聞き取るための質問書のことです。これを基にして動画制作の発注者側と制作会社と認識のすり合わせを行うことから、ヒアリングシートへの回答が完成動画の品質に大きな影響を及ぼします。実際にヒューマンセントリックスでも社内でヒアリングシートをもとに制作に関わる関係者間で情報の共有を行なっています。
そのため、動画制作会社側にとってヒアリングシートに動画のイメージをなるべく具体的に記載することが後々のトラブルに発展しない要素となります。
これを発注者側の視点で考えるとヒアリングシートに記載されるべき項目を理解して、そこを事細かに記載することで思い通りの成果物を取得することが可能になるということになるわけです。
ヒアリングシートに必須の項目
制作会社ごとにヒアリングシートの構成などは変わることもありますが、必ず盛り込むべき項目があることも事実です。私たちの社内においては、お客さまの課題・目的・ターゲット・予算・納期の記載は必須としています。また、参考となる動画を提示いただくことも、なるべくお願いするようにしています。実際に成果物イメージを共有できれば、より失敗しない動画制作ができるからです。もちろんヒューマンセントリックスでは、数多くの実績をご確認いただく機会をご用意しています。一部ではありますが弊社の動画制作実績ページからもご確認いただいております。
それではヒアリングシートに盛り込むべき最低限の項目に関してご紹介いたします。
現状の課題と制作の目的
動画の方向性を決めるために、現状の課題と制作の目的を盛り込みます。抱えている課題と、どのような動画によってその課題を解決したいのか、どのような結果を得たいのかを共有することで、目的の達成に向けた動画制作が可能です。
また、視聴者にどのようなメッセージを伝えたいのかも明確にしておくと、主題がぶれにくくなります。
商品やサービスのコンセプトや工夫している点、こだわりなどを記載して、動画に盛り込むことで、効果的な訴求につながります。得たい結果を具体的なKPI(重要業績評価指標)として数字で記載しておくと、制作会社はイメージが付きやすいものです。
ターゲット属性、ペルソナ
ターゲット属性やペルソナは、動画の訴求力を高めるために必要な項目です。BtoB企業をターゲットにする場合には部門や役職、その方が抱えている課題感などを特定することが重要です。視聴者の年齢や性別といったイメージや、趣味や行動パターンなどの具体的な人物像を共有することで、トーンマナーをはじめとする表現方法、SNSやTVCM、ホームページといった媒体などが明確になります。
媒体ごとに効果的な表現や最適な再生時間が異なることから、ターゲットやペルソナを設定していない、あるいは共有できていないと、視聴者の心に響かない動画となってしまいます。
予算と納期
予算は、動画のクオリティや制作に使えるリソースに関わる項目です。
予算が多いほどタレントや特殊な技術など使えるリソースが増えるので、動画で表現できる幅が広がります。また、再生時間の長い動画ほど制作費用が高くなる傾向にあります。予算を把握しておかないと、ヒアリングシートのイメージ通りに制作を実現できるのかがわかりません。
また、制作スケジュールを組むために納期は必須の項目です。
納期が短いと、タレントを起用したい場合でも、スケジュール調整が難しく、出演できないこともあります。また、エンジニアを確保できないケースもあるでしょう。
動画制作を始めて発注する場合には、予算も納期もよくわからないというのが本音かもしれません。その際には弊社までお気軽にお問い合わせいただければ幸いです。また、価格感に関してはこちらの動画制作価格ページにも掲載させていただいておりますので併せてご参考になさってください。
具体的な納期と予算を提示すれば、制作会社から可能な範囲で提案してもらえます。
納期設定については、本来の期限よりも余裕をもたせるようにしておくと、修正箇所への対応がしやすくなります。
イメージや参考動画
制作したい動画のイメージを基に参考動画を提示することで、大きなすれ違いを防ぐことができます。イメージを言葉だけで表現しても、受け手側の解釈によって希望通りの動画にならない可能性があります。制作着手後もイメージのすり合わせに時間が取られ、コストがかさむことも考えられます。参考動画を見せることによって、イメージをある程度合わせることが可能です。
イメージに近い動画をYouTubeやインターネット上から見つけておき、制作会社に共有するようにしましょう。また、制作会社の実績動画も参考になります。
動画制作を発注してから納品されるまでの流れ
前述した通りヒアリングシートは関係者全員の意識合わせの要素が強いものとなります。発注者側および制作会社側で関係者全員が同じ方向を向くという意味で非常に重要です。そして、このヒアリングをもとに動画制作の各工程が進んでいきます。
「動画制作の流れとは?各工程のポイントと合わせて解説!」において詳細は説明していますが、ここでは大まかに今後発生することについてご紹介します。
- ヒアリング、打ち合わせ
- 企画
- 撮影、編集
- 納品
特に撮影に至るまでの工程で、制作会社とイメージをどれだけ共有できるかで、動画のクオリティが変わります。ヒアリングシートの情報をできるだけ具体的にして、イメージを共有しておきましょう。企画段階でヒアリングシートの内容が的確に伝わっているかの確認を行います。イメージ通りとなるまで、すり合わせを行うことが重要です。
1.ヒアリング・打ち合わせ
はじめに、ヒアリング・打ち合わせを行うことで、どのような目的で、どのような動画を制作するのかの情報を共有し、方向性を固めます。動画が目的に沿ったものとなるか、イメージ通りのものになるかが左右されるため、この工程は重要です。ヒアリングシートはこの工程にて提出し、記載事項に基づいて打ち合わせを進めていくことが多いです。
2.企画
企画の工程では、ヒアリング・打ち合わせにて共有した情報を基にして、制作会社が企画書を作成します。企画では、基本的に絵コンテにて具体的な動画のイメージが湧くように提案します。企画工程でおおむね動画の完成形が固まるため、時間をかけてイメージ通りとなるまで、入念にすり合わせることが大切です。
動画が完成してから修正するには手間と時間、コストがかかるため、企画段階で修正を重ねて納得のいくものにしておきましょう。動画制作にかかる費用については、この段階で見積もりが提示されます。
3.撮影・編集
企画が固まったら、企画書に基づいて動画の撮影を行います。撮影に携わる関係者や機材の手配を行い、撮影工程を進めていきます。納期がタイトだと、撮影工程における関係者の手配が難しいことも考えられます。
撮影がひと通り終わったら、必要なシーンがすべて揃っているかを確認してから編集作業へと移ります。編集は、企画書通りの動画へと仕上げるために、余計な部分をカットしたりシーン同士をつないだりする工程です。雰囲気をイメージに近付けるように、CGや合成、明るさ、色調の調整など、さまざまな編集を施します。編集ができたらBGMや効果音、ナレーションといった音声情報を追加していきます。
4.納品
動画が完成したら納品です。完成動画を確認し、問題がなければ納品となりますが、イメージと違う箇所や企画書通りとなっていない箇所があれば修正を行う場合もあります。この段階で大幅な修正が必要となると、時間やコストがかかることになります。そのため、企画までの工程でしっかりと情報を共有しておくことが重要なポイントです。
納品は、さまざまな媒体が使用できるので、希望の形式を伝えておきましょう。動画の公開方法によっても必要な形式が異なるため、どのような形で公開するのかを合わせて伝えておくことが大切です。
まとめ
ヒアリングシートは動画のイメージを制作会社と発注者側で共有するための源となる資料です。制作会社にとってヒアリングシートの記載事項を具体的にすることで、よりイメージに近い動画を制作できます。動画のイメージを最も具体的に示せるものは、参考動画です。イメージに近い動画を制作会社の実績ページやYouTube、インターネット上から探しておき、制作会社へ提示することで、完成予想図の共有がスムーズに行えます。
撮影が開始される前に、ヒアリングシートの内容が反映された企画書を確認し、十分にイメージをすり合わせておくことが重要なポイントです。企画段階で修正を繰り返し、完成度を高めておくことで、動画制作後の大幅な修正を防げます。
動画制作の依頼を検討している方は、実績豊富なヒューマンセントリックスへぜひご相談ください。
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