最新の集客ツールとして、ウェビナーを活用する企業が増加しています。ウェビナーとは「Web」と「セミナー」を合わせた用語で、ZoomなどWeb会議システム用のツールを使って行われるオンラインセミナーのことです。
しかし、どのようなコンテンツを配信するのか、ターゲットとなる購買層は誰か、など戦略的な企画がなければ十分な成果が見込めないでしょう。ここでは、ウェビナーを企画する際に考慮すべきポイントについて解説します。
ウェビナー企画は5W2Hで考えるのがベター
ウェビナーの企画は「5W2H」を意識することが大事です。
5W2Hは、以下の項目の頭文字です。これに沿って企画を検討していくことで、ウェビナーの成功につながるのです。
- 目的(why)
- ターゲット(whom)
- コンテンツ(what)
- 実施タイミング(when)
- 撮影場所(where)
- 理解度を高める方法(how)
- 予算(how much)
ウェビナー企画のポイント
それでは、実際に企画を立てる際のポイントについて「5W2H」に沿って詳しく説明していきます。
ウェビナーの目的・ゴール設定
ウェビナーの企画を立案する際は、具体的な目的(why)やゴール設定を決めましょう。
ウェビナーを行うことで「何を達成したいのか」を決めておかなければ、開催費用が無駄になってしまうこともありえます。赤字を出さないためには、具体的に達成したい目標・ゴールを明確に決めることが重要です。
ウェビナーの目的としては、以下の項目が挙げられます。
リード数(見込み顧客数)
リード数とは「見込み顧客の数」のことです。ウェビナーの参加者は自社や製品に関心を持ってくれているということなので、今後顧客になる可能性が高いでしょう。特に事前申し込み制にすると、名前やメールアドレス、所属など詳細な情報が手に入るので後々の営業活動に役立ちます。
リードの獲得を目標とするなら、上記のような情報を活かすための仕組みまで、作っておきましょう。
参加者数
参加者数とは、実際にウェビナーを視聴した人の人数です。「どの程度の参加者を集めたいか」、数字を明確にしておきましょう。
ウェビナーを配信するサービスによって、どこまで数字が明らかになるかが違います。「再生数のみがわかる場合」や「事前申し込み者の中でどれだけが参加したかわかる場合」などがさまざまです・参加者数を目標にする場合、「どんな数値で参加者数を算出したいか」も視野に入れ、使用するウェビナーサービスを検討しましょう。
視聴後のアクション
ウェビナーに参加した後、参加者にアクションを起こしてもらうことを目的とするのもよいでしょう。例えば、ウェビナーで興味が深まった参加者たちに対して、その後も個別にアプローチを行うことも有効でしょう。
また、配信中に質疑応答ができたりするサービスの利用や、視聴後自社サイトに誘導する導線を作るなどの仕掛けも必要です。参加者に、自社やウェビナーについてのアンケートを送るのも、よい手段でしょう。
動画コンテンツ自体の評価
動画コンテンツ自体の評価を上げることを目標にするなら、視聴情報を詳細に分析してくれる配信サービスを利用しましょう。配信サービスの中には、「動画のどのポイントで、どのくらいの参加者が離脱するか」「ライブ配信のどの時点で、最も参加者が多かったのか」を把握できるものもあります。
次回以降のウェビナー成功のためのフィードバックにもなりますし、今後の営業活動で重点を置くべき箇所を見つける役にも立ちます。
ウェビナーのターゲット策定
目的を決めたら、ウェビナーのターゲット(whom)を策定しましょう。企画立案時には、どのような人に参加してほしいかを明確にする必要があります。
その際、自社の製品やサービスに対する関心の有無や年齢・性別だけでなく、参加者が視聴する環境に注目することも大切です。自宅で視聴するのか、オフィスなのか、あるいは通勤などの移動中なのかを考慮しながらコンテンツ設計を行いましょう。
ウェビナーでどのようなコンテンツを提供するか
さて、ウェビナーの目的(why)、ターゲット(whom)が明確になったら、次はいよいよ、ウェビナーのコンテンツ(what)です。
ウェビナーのコンテンツは、想定される参加者のニーズに合わせて、「録画配信かライブ配信か」、「講義方式かスライド方式か」、「一方通行型か双方向型か」、を検討する必要があります。
事前にターゲティングした顧客層の興味・関心を引きそうな、最適なコンテンツを設計することが重要です。
ウェビナーの開催タイミング
次に決定するべきなのが実施タイミング(when)です。ターゲティングした参加者を集客しやすいタイミングについては、十分に検討する必要があります。
例えば、ライブ配信の場合には、参加者が参加しやすい日時を設定することが重要になってきます。一方、録画配信であれば参加者は自由な時間帯で視聴できるので、配信日時の制約はなくなります。
また、ウェビナーを開催する時期や日時・曜日などに応じて、そのイベント告知の時期自体も十分に検討しておくと、参加者数が高まるでしょう。例えば、ウェビナー開催の1ヶ月半ほど前に一度告知することで、参加者に予定を確保しておいてもらい、さらに、開催の数日前に再度告知してリマインドすれば、より確かな集客が期待できます。
もちろん、実施時期はウェビナーの内容・質にも依存するため、その点も十分な考慮が必要です。
ウェビナー撮影場所の考慮
ウェビナーの場合、当日の会場を用意する必要はありませんが、撮影場所(where)を確保する必要があります。特に、ライブ配信する場合には、自社会議室などではなく、しっかりとした撮影スタジオを手配しましょう。
撮影スタジオは、ネットワーク環境やマイク、カメラ、照明など、「必要な機材や設備が整っているか」「継続的な利用が可能か」などをよく確認しましょう。もちろん、料金や撮影スタジオまでのアクセスなど、利便性も考慮して選定することが重要です。
録画配信の録画データを撮影する場合も、スタジオを使用して撮影すればクオリティの高いものができるでしょう。
視聴者がより集中して参加できる環境作り
ウェビナーに参加する際には、興味を持って視聴してもらい、十分に理解を深めてほしいものです。ここでは、ウェビナーの理解度を高める方法(how)について説明します。
まずは実際にいろいろな動画を視聴してみましょう。自然と集中して視聴できるものと、退屈ですぐに視聴を止めたくなるものがあるかと思います。
ウェビナーの参加者は、自宅で視聴している場合も多く、中座したり、途中で視聴を止めてしまったりする可能性もあります。そのためコンテンツ作成時には、参加者がより集中して視聴できるよう心掛けることが、重要です。そこで、以下のポイントを押さえると、より質の高い動画に仕上がるでしょう。
コンテンツをコンパクトにまとめる
ウェビナーは対面で行われるセミナーとは異なるものです。仕事の合間や通勤時間など、隙間時間でも見られる15分~20分程度の長さだと、視聴しやすいでしょう。
また、ライブ配信のイベントであっても、1つのコンテンツを15分以内にまとめるなど、短い時間でわかりやすく伝えることで、参加者の集中力が途切れないよう工夫しましょう。
後日配信するなら、複数回に分けるのもよい手です。
画質、音声などが明瞭になるように強固なネットワーク環境を利用する
ウェビナーに参加する際、画質や音声の質が悪いと、視聴意欲の低下につながります。また、通信状態が悪いと、画質が落ちたり、音声が途切れたりと、動画のクオリティは低下してしまいます。
加えて万が一、ウェビナー中にネットワーク障害が起きれば、視聴者が離脱させられてしまうこともあります。動画について画質や音声の向上に努めると共に、通信環境の整備にも気を配りましょう。
スライドの質を高め、参加者が理解しやすいようにする
ウェビナーで使用するスライドが適切か、確認しましょう。視聴者はそれぞれパソコンやスマートフォンなど、異なる環境で視聴します。「パソコンでは見やすくても、スマートフォンでは見づらい」といった場合もあるので、複数の視聴環境でテストを行い、視認性を高めましょう。
ウェビナーの予算の設定
最後に、予算(how much)についてです。ウェビナーは会場も不要ですし、当日の人件費もかけずに済みます。しかし、スタジオやツールの選択などについて、費用がかかってしまうという側面もあります。
例えば、どんな動画配信ツールを選定するかでも、費用が変わってきます。ツールによって機能が異なりますが、一般的に、高機能のものを使うほど予算は高くなります。
また、専用スタジオで撮影する場合には、当然スタジオの使用料金(機材代、スタッフ代など)がかかります。さらに、告知用サイトや広告宣伝を製作する場合は、それを考慮した広告費も予算化しておきましょう。
「ウェビナーは単なるPR活動ではなく、立派なマーケティング活動である」という認識を持ち、企業として適切な予算を組んで運営しましょう。そしてウェビナーを行った後は、必ずROI(費用対効果)を計算し、効果測定を行ってください。
まとめ
ウェビナーを企画する際に大事な「5W2H」について説明してきました。企業のマーケティングとしてウェビナーを開催する際、具体的にはどんなアプローチが必要か、ご理解いただけたでしょうか。
この記事で紹介したポイントを押さえ、効果的なウェビナーを企画・実行しましょう。自社と顧客層にフィットするマーケティング活動として、ぜひウェビナーを活用してください。
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