ヒューマンセントリックスの動画制作サービスのメソッド化
表現に正解がないのが動画です。そのため、ビジネスで活用できる動画を制作するにあたり、最も重要なのは動画の目的を明確にすることです。さらに、目的にあった動画を適切な価格と表現で提供し続けるためには、一つ一つをゼロから企画していく旧来型の手法は、限られた予算を考えたときにあまり現実的ではありません。動画制作にかけた時間と労力は、制作コストに跳ね返って来るからです。最終的にはお客様の負担となる、さもなければ、制作会社が負担を被ることで、全く利益のない動画制作サービスになってしまいます。これでは、お客様か、制作会社のどちらかが、どこかで息切れをしてしまいます。
「お客様の目的にあった、使い勝手の良い動画を、リーズナブルな価格で提供していく」という命題は、動画制作だけでなく、ビジネス一般が持っているものです。この命題解決のため、IT業界では、ソフト開発の手法を、都度開発・販売する手組みから、大量販売できるパッケージソフトへと変化させ、最近では、クラウドを活用したサービスモデルに進化・成長させています。
同様のことが、動画制作でも実現できないか・・・ヒューマンセントリックスは創業当初、SVP(Super Visual Presentaion)というブランドで、プレゼンテーションを行う人物とパワーポイントを融合した動画をパッケージサービスとして展開し、仕様と定価を決めていました。当時、これまでになかった斬新なサービスということで、かなりのヒット商品となりました。以降、ヒューマンセントリックスはBtoB企業向けの動画を制作する会社として、市場から認知されるようになりました。
但し、顧客のニーズが多様化し、様々なタイプの表現が必要とされる昨今、パッケージ化された動画では対応できないニーズが多くなってきました。そこで、動画制作における社内の制作プロセスとお客様との確認プロセスについての流れを整理整頓し、徹底的に共有化するメソッド化に着手しました。
お客様は「動画を作りたい」という前提で、ヒューマンセントリックスに問い合わせしてきます。5〜6年前であれば「なぜ、動画が必要とされているか」「動画で何がよくなるか」などの「Why 動画?」的な話を前口上としてやっていましたが、今はそのような話は一切していません。
ほとんどのお客様は、新しい営業手段、あるいはマーケティングで活用するコンテンツとして動画を制作したいと思っています。これは、動画市場が活発化し、多くのお客様がビジネスをする上で動画を使う必然性をすでに感じ取っていただいているので「Why 動画?」的な話をする必要がなくなってきました。
そんな市場環境と顧客ニーズという、動画制作会社としては恵まれた状況にはなるのですが、何を目的にどのような表現にしていくかについて、動画制作のプロとして、しっかりと整理しガイドしてあげなければ、手戻りの多く見えないコストがかさむものとなり、お客様にとっても、動画制作会社にとっても、苦しいビジネスとなってしまいます。
ヒューマンセントリックスでは、創業から14年間で携わった約2万件の動画制作のプロセスを整理・分析することで、独自の動画導入メソッドを作り上げました。
これにより、初回取引のお客様とでも、制作側の担当者とのコミュニケーションで生じるギャップをなくし、提案・準備・制作・納品までの動画制作の関わるプロセスをスムーズにできるようになり、結果として「目的にあった動画を、適切な価格と表現で提供し続ける」ことを実現できました。
ヒューマンセントリックスの動画導入メソッドは、制作する動画を「どこで伝える」「何を伝える」「どう伝える」の3つの要素に分け、さらにそれぞれの要素を8つの項目から考え、最後に「どう使う」かを整理する手法となります。営業担当者がお客様との初回打ち合わせより、動画導入メソッドにあわせてガイドしていくのです。
今回は、この動画導入メソッドについて、一つずつ紹介していきます。
「どこで伝える」「何を伝える」「どう伝える」「どう使う」
まず最初に考えるのは「どこで伝える」です。これはビジネスの中で動画を使用する場所、あるいはシーンとなります。ヒューマンセントリックスの動画導入メソッドでは、8つのシーンを想定しています。
- 営業活動で動画を活用する
- セミナーで動画を活用する
- 展示会/イベントで動画を活用する
- 採用活動で動画を活用する
- 教育研修で動画を活用する
- Webで動画を活用する
- IR活動で動画を活用する
- 海外展開で動画を活用する
以上、8つのシーンにおける動画の活用です。
BtoB企業のビジネスであれば、ほぼ95%以上は上記8つのどれかがあてはまります。
次に「何を伝える」です。
上述の8つは動画で伝えるのに適しているものになります。
ビジネスで動画を使う場合は「何を伝えたいのか」が非常に重要となります。もちろん伝えたいものが複数あっても問題ありませんが、その分、伝えたいことが分散してぼやけてしまいます。
お客様は、会社や自社の商品・サービスに想い入れがあり、あれも伝えたい、これも伝えたいという想いがどうしても強くなって、動画自体の時間が長くなりがちです。しかし、長い時間(尺)の動画は、なかなか全部は視聴いただけませんし、見ていただける機会や用途がかなり限定されてしまいます。
どうしても、長くなってしまうようなら「何を伝える」を切り分けて、会社紹介用、商品・サービス紹介用、技術紹介用など、別の動画として、それぞれの用途別に編集して活用していくよう提案します。そういう複数本制作しても、もちろん、予算内での対応となります。
「何を伝える」について、8つの伝えたいこと参照しながら、どんな動画を作りたいのか検討していくと、自社の強みや本当に伝えたいことを見つめ直すきっかけにもなっていくのでお薦めします。
検討した結果として、最終的に伝えたいものが最新設備と技術力なら、自社の強みを設備と技術と考えていることになります。また、商品・サービスなら、その強みをどう伝えるべきか、どんなシーンが自社の強みになるのかなど、動画制作のプロとして私達がファシリテーションしていくうちに、参加者の間でディスカッションが大いに盛り上がっていきます。
そして「どう伝える」かは、表現方法です。手法は、ヒューマンセントリックスが得意としている講演者が登場するプレゼンテーション形式を筆頭にいくつかの表現方法に分類しています。
- プレゼンテーション形式
- ナレーション形式
- インタビュー形式
- レポーター形式
- プロの役者を登用した芝居形式
- アタックビデオなどのイメージ形式
- 形のないものを表現するのに適したピクトグラム
- CGアニメ形式
などです。
参考にするものが全く何もない状態から動画をゼロから作るのではなく、これまでに手がけてきた豊富な事例動画から、お客様の目的や予算に応じた動画を見ていただき、実際の表現方法を確認してもらいながら、具体的なイメージを合せていくよう、ファシリテーションを行っていきます。
例えば、伝えたいことが「お客様の声」であれば、表現として、インタビュー形式が必然的に多くなりますが、「お客様の声」を動画の中心に置きたいと思っても、サービスによっては実際のお客様に登場いただく場合が難しいこともあります。そんな場合は、プロの役者を使った芝居形式だったり「こんな意見が多いです」など、ナレーション形式にする場合もあります。
また、複雑で精緻な表現などは制作コストにも、大きく影響するので、表現方法が固まってきたら予算についても、ここでしっかりと議論します。「この表現が第1希望ですが、予算の関係で厳しいようであれば、この表現とこれを上手く融合したもの」など、お客様にも参加いただきながら、最終的な表現方法と制作予算を確定していきます。
いよいよ最後の要素である「どう使うか」です。これは制作する動画を、どういった層のクライアントに向けたものかを確認し、動画の尺(時間)を決定していきます。例えば、興味を持っているかどうかわからないクライアントを振り向かせる目的の動画であれば、30秒前後で短くインパクトを重視した動画となります。
ある程度、興味を持っているクライアントに対しては、2分前後の時間で説明する動画であったり、さらに詳細まで踏み込んで理解を促す目的であれば、5分前後の動画になったりします。
ヒューマンセントリックスの動画導入メソッドに沿って、
「どこで伝える」「何を伝える」「どう伝える」「どう使う」
上記の4つを整理していくと、動画制作の質の向上はもちろんのこと、動画を使った効果的な営業活動やマーケティング活動の実現が可能となります。
本コラムが、最適な表現と最適な予算で、投資対効果の高い動画をどんどんご活用いただける一助になればと思っております。
今回も、最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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