企業が主体となった「製品やサービスの紹介」とは違った確度で自社製品やサービスを顧客に対してアピールできる方法といえば導入事例の紹介です。事例動画は、実際に製品やサービスをご利用いただいている顧客から生の声を発信してもらうことで、それを見ている人に対して具体的な検討をしてもらうのが主な狙いです。
日々の映像制作の中でもこうした事例動画の制作依頼は多くあります。では、ビジネスとして効果が表れる事例動画を制作するためにはどうすればよいのか?本稿ではその6つのポイントをご紹介しましょう。
ポイント①事例動画の基本設計を決める
事例動画の活用はマーケティング活動において必要不可欠です。その制作方法は、基本設計に沿って制作することがまず大切なポイントです。設計するポイントは「ペルソナ」「ベネフィット」「スピーカー」の3点です。
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ペルソナ
商品やサービスには必ず明確なペルソナが存在します。ペルソナとは自社にとって理想的な顧客像です。ペルソナを規定すると一般的にはカスタマージャーニーに則った施策を講じます。カスタマージャーニーの初期の段階では、会社案内動画や製品紹介動画が最適です。そして、事例動画はカスタマージャーニーの中盤から後半、基本的には商品導入やサービス利用を既に検討しているけれど、今ひとつ導入や利用に踏み出せない人や企業に対して有効です。重要なことは届けたい顧客像(ペルソナ)を明確化して提供することです。
ベネフィット
ベネフィットとは顧客がその商品やサービスを利用したことで得られる便益のことです。商品やサービスごとに様々なベネフィットを持っているでしょうが、1つの事例動画では、1~3個程度のベネフィットを訴求するのがベストです。あまりに詰め込み過ぎた内容では視聴者の混乱を招き検討にいたらなくなる可能性が高くなります。
スピーカー
ペルソナとベネフィットを踏まえて「誰に事例を語ってもらうのか?」がとても重要です。たとえば業務システムの事例動画を作成する際は、同じ企業でも部門責任者に語ってもらうのか、経営者や役員に語ってもらうのかによって内容は大きく異なります。ペルソナとベネフィットを踏まえて適切なスピーカーを設定しましょう。
ポイント②事例動画の構成を考える
事例動画における基本的な構成は次の通りです。
- 事例動画に登場する人物と所属する企業の情報を紹介する
- その会社がどういった事業を展開しているかを紹介する
- 商品やサービスを導入する以前の課題について話してもう
- なぜその商品やサービスを利用するに至ったかを話してもらう
- 具体的にどのように課題が解決されたかを話してもらう
- 以上の内容を踏まえて課題解決の方法を提示する
- 事例のまとめ
以上の流れに沿って制作すると一般的な事例動画が完成します。
ただし、必ずしもこの流れに沿って制作する必要はありません。あるいは同じ流れでも、どの要素を膨らませるかによって事例動画の見せ方も変わってくるでしょう。
ポイント③事例動画制作の費用を決める
予算あっての事例動画制作なので、制作依頼をするクライアント様からすれば最も気になるポイントでしょう。まず、事例動画制作の費用は次のような構成で決まります。
事例動画制作の費用項目
- 企画構成
- シナリオ作成
- 撮影
- 編集
- ナレーション
- 素材購入
- BGM
- イラスト・アニメ作成
- キャスティング
以上が主な費用項目になります。事例動画制作全体の費用はこの構成から決定されるわけですが、これら全てが必要になるわけではありません。たとえばキャスティングは事例動画制作にあたって再現ドラマなどを挿入しなければ必要なくなります。また、アニメは不要の場合もあるでしょう。
制作会社によって事例動画の制作価格はまちまちです。例えばヒューマンセントリックスでは以下のような事例を18万〜30万円の価格帯で提供しています。(ご参考:事例動画制作の価格)
また、事例動画の費用を決める際は「リソースを内製化している制作会社を選ぶ」ことも大切です。たとえば弊社ヒューマンセントリックスでは脚本家、ディレクター、カメラマン、クリエーター、機材、スタジオといった動画制作に必要なリソースをすべて内製化しているため、低価格帯を実現し一貫性のあるクオリティの高い映像制作を可能にしています。
ポイント④撮影時の許可と申請
映像制作の際は最小で1〜3人がチームを組み撮影にあたります。3名の場合には、ディレクター、カメラマン、アシスタントが一般的です。さらに、撮影時には撮影機材が必要になるため必然的にスペースを確保しなければなりません。
撮影時には他のスタッフなども含めると多くの人と機材が移動することになるので、撮影がスムーズに進むように各種許可と申請を行うことがあります。主に次のような項目に注意しましょう。
- 撮影スタッフが撮影場所で移動するための許可や申請
- 撮影機材を持ち込むための許可や申請
- 撮影場所のほかに撮影機材を置くための場所を確保
- 撮影する人や場所が撮影に適しているかの確認
- 撮影場所に入るための許可と申請および撮影可能時間の確認
こうしたポイントを事前に確認するための必要に応じて撮影スタッフに「ロケハン」を依頼すると、当日の撮影がスムーズにいくでしょう。
ポイント⑤撮影後の編集
撮影が完了すると最後に残る作業は編集です。事例動画を魅力的なものにするためには、撮影と同程度もしくはそれ以上に重要な作業でしょう。事例動画の編集は主に次のような流れで進行します。
- 音声書き起こし…撮影した映像の音声をテキストに書き起こして、音声として使用できないものなどを確認します
- 粗編集版作成…ナレーションなどはまだ入れずに音声と映像を簡単に編集し基本となる構成を決めます
- ナレーション作成…前工程で決定した構成に合わせてナレーション原稿を作成します
- プレビュー版作成…粗編集版をより細かい部分まで編集して完成形の一歩手前まで事例動画を作りこみます
- ナレーション収録…作成した原稿でナレーションを収録します
- BGM挿入…予め決めた構成に合わせて適宜BGMを挿入します
- 最終版作成…映像、ナレーション、BGMをすべて合わせた事例動画を完成させます
- これらは基本的な流れなので映像制作会社によって編集の流れが異なる場合があります。事前に確認を取っておくとスムーズに進捗確認が取れるでしょう。
ポイント⑥正しい映像制作会社選び
事例動画を制作する際は多く場合、制作会社に依頼することでしょう。そのため正しい制作会社を選ぶことが最後のポイントです。
正しい映像制作会社を選べるかどうかによって事例動画の成否は大きく変わるでしょう。詳しいポイントについては「制作会社がこっそり教える 良い映像制作会社の選び方7つのポイント」をご確認ください。
効果の高い事例動画制作を行うために
いかがでしょうか?事例動画でビジネスを成功へ導くためには色々なポイントがあり、それらを確実に押さえることで効果の高い事例動画を制作できます。
事例動画は商品やサービスを検討している人にとって最適なコンテンツです。ですのでビジネスの成功にむけた基本設計において事例動画組み込むことを考慮してみてはいかがでしょうか。もし事例動画の制作にご興味がございましたらヒューマンセントリックスまでお問い合わせいただければ嬉しいです。
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