近年、動画制作を行う人が増えてきています。誰もが映像クオリティの高い、よい動画を作りたいと考えているでしょう。よい動画を制作するためには、押さえるべきポイントがいくつかあります。そこで本記事では動画制作を行う上で押さえておくべきポイントやコツについて詳しくご説明します。
動画の撮影のコツやポイント
クオリティの高い動画を制作するなら、美しく人目を引くようなビジュアルを意識することが重要です。ビジュアルにすぐれた動画を制作するコツは、「手ぶれの抑制」「画面の構図バランス」「カメラワーク」の3つが挙げられます。制作サービスを利用しなくても、以上の3つを押さえれば、初心者でも想定したイメージに近い動画制作が可能です。この3つのポイントについて詳しく解説していきましょう。
カメラ固定で手ぶれを抑制
撮影時は、一眼レフカメラやビデオカメラ、スマートフォンなどを手に持って撮影すると、手ぶれが起きやすいです。手ぶれの状態で撮影すると画面が揺れてしまい、動画の視聴者に不快感やストレスを与えてしまうことがあります。ひどい場合は、視聴者が乗り物酔いの状態になることもあるので注意してください。
動画の時間が短かったとしても、手ぶれが起きないような対策は必須です。わざと揺れた視点で撮影する手法はあくまで熟練した技術であり、初心者の場合は三脚で固定することをおすすめします。三脚がない場合、撮影者は椅子に座ったり、壁に背中をつけたりすれば、手ぶれを防ぐことが可能です。カメラを固定する道具が他になければ、脇を締める、短時間の撮影なら息を止めるだけでも手ぶれを減らせます。
画面の構図バランス
動画の良し悪しを決める要素として画面の構図バランスは非常に大切です。空間を大きく見せたいときは、被写体と対角線になるように撮影します。人物の撮影は正面から撮るのではなく、横顔や斜め45度から撮るようにすると、映画のワンシーンのように印象的な構図になります。
特定の被写体を中心に撮影したいときは、動画制作の意図に合わせ、画面での配置を決めます。ファッションモデルを撮影するなら、全身が入るような構図で、ヘアスタイルやメイクを撮影するなら、モデルの頭部により近づいた構図で撮影しましょう。頭部に近づいた構図の場合は、後頭部より顔の部分を広く取る構図にすると、圧迫感を感じません。それぞれの構図に適したテクニックを選ぶことで、表現の幅が広がります。
カメラ構図で特に取り入れたい技法として、「ロングショット」「フルフィギュア」「三分割法」「イマジナリーライン」の4つが挙げられます。
「ロングショット」は被写体までの距離がもっとも遠く、被写体全体だけでなく、周囲の空間も丸ごと撮影できます。状況説明に適した構図です。
「フルフィギュア」は被写体の頭から膝までを撮影し、被写体が語る内容や表情にフォーカスできます。人物の内面を描写する表現や、伝えたいメッセージがある場合に適した構図です。
「三分割法」は構図のバランスを取るための技法です。画面の縦と横をそれぞれ三分割した線が交差する場所に被写体を配置すると、視聴者の注目を集めやすくなります。ロングショットにおいて三分割法を取り入れると効果的です。
「イマジナリーライン」とは目線を合わせて対面する2人の被写体を結ぶイメージ線のことです。目線が合っていることで、複数のカメラでカットを切り替えても、2人が対話しているように見せられます。
カメラワーク
カメラワークとは動画や映像撮影で被写体をどのように撮るかを決め、カメラを動かす技法のことです。カメラの動かし方によって、次の4カテゴリーに分かれます。
固定撮影(フィックス)
カメラを固定して撮影する技法で、カメラワークの基本です。先述した通り、一般的には三脚などで固定して撮影することで画面が安定します。表情や繊細な手作業などといった細かい部分にフォーカスして注目させたい場合に適しています。
カメラを振る(パン、ティルト)
カメラを左右に振る技法を「パン」といいます。「パン」は左から右で、その逆は「逆パン」と呼ぶのが正確です。パンによって広さを強調したり、横長の様子を映したり、横並びの位置関係を示したり、横に移動する被写体を追いかけたりする視覚効果が得られます。
カメラを上下に振る技法を「ティルト」といいます。上から下を「ティルトダウン」、下から上は「ティルトアップ」と呼ぶのが正確です。高層ビルを1階から屋上まで撮影して高さを強調したり、人物の足元から徐々にカメラを上げ、最後は顔を撮影することで人物像を紹介したりする効果が得られます。
カメラレンズの動き(ズーム・イン/アウト、フォーカス・イン/アウト)
レンズの焦点距離を変える技法を「ズーム」と呼び、「ズーム・イン」は遠くから被写体に近づき、「ズーム・アウト」は被写体から徐々に離れます。ズーム・インは視聴者の注目を特定箇所に集めたいとき、被写体の細部を見せたい場合に効果的です。ズーム・アウトは被写体の周囲環境を徐々に明らかにしたり、注目箇所から視点を外したりする効果があります。ピントを合わせる箇所を変える技法を「フォーカス」と呼び、「フォーカス・イン」はピントが合っていない状態(ピンボケ)から次第にピントを合わせ、「フォーカス・アウト」はピントが合う状態から徐々にピントをぼかします。
フォーカス・インは朝の目覚めや記憶がよみがえる様子などを表現できます。フォーカス・アウトは意識があいまいになるシーンや、過去の場面への移行などを表現するのに効果的です。
移動撮影(トラック、ドリー・イン/アウト)
被写体の動きに合わせた移動撮影は、専用機材が必要で難易度の高いカメラワークです。カメラを横に移動する、または被写体とカメラの一定距離を保ち、追いかけながら撮影する技法を「トラック」と呼びます。
臨場感や躍動感などが増し、迫力ある動画の撮影が可能です。カメラが移動して被写体に近づくのは「ドリー・イン」、逆に被写体から遠ざかるのは「ドリー・アウト」と呼びます。遠近感や立体感を際立たせる表現ができます。
動画の編集のコツやポイント
動画編集もコツやポイントを押さえれば、初心者でも上手く編集できます。
よい素材を選ぶ
動画の印象を決めるのは素材、と言われるほど、撮影した素材の質で動画のクオリティが左右されます。通常、編集の段階で、撮影した動画は多くカットされ、一部しか使用しません。制作したい動画のコンセプトに合う素材選びも重要です。例えば想定する視聴者が日本人である場合、被写体を外国人ではなく日本人にするなど、イメージしやすい素材を選ぶことがポイントです。
映像のつなぎ方
映像はカットの連続ですが、単純にカットをつなぎ合わせるだけではいけません。カットのつなぎ方には2種類があります。ひとつはカットの時間軸が前後でつながっている「アクションつなぎ」です。同じ時間軸でロングショットとアップショットをつなげることも可能で、映像にメリハリが出ます。もうひとつはカットの時間軸に関係なくシーンをつなげる「ジャンプカット」です。テンポよく話を進められるので、視聴者の関心をひきつけ、見やすくする効果があります。
テロップの挿入
より伝わりやすい動画を制作するには、テロップを利用すると、文字の力でメッセージを明確にできます。テロップは目立つため、映像の効果を損なわないよう、詰め込みすぎないことがコツです。文字数が多いときは2回以上に分けるとよいでしょう。
多くは画面の下に横書きで挿入しますが、縦書きで左右どちらかに配置することも可能です。テロップの色は一般的に白や黒ですが、背景が雪景色や暗闇だと見づらくなります。テロップを見やすくするには背景色と差をつけ、見づらい色の組み合わせに注意します。フチをつけたり目立つ色を選んだりすることで文字を強調し、アイコンをつけるのも効果的です。
まとめ
動画制作は撮影や編集のコツを押さえると、初心者でもレベルの高い動画を制作できます。カメラワークの技法はいろいろありますが、まずはカメラ固定で画面を安定させ、構図のバランスを考えることが重要です。その上でカメラを動かしたり、レンズやピントを変えたりしてみましょう。編集を見越して、動画のコンセプトに適したよい素材を選ぶのが一番です。実際の編集では、カットのつなぎ方を工夫し、テンポよく飽きさせない動画作成を目指しましょう。明確にメッセージを伝えるならテロップの活用もおすすめします。
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