“プロモーション(Promotion)”とは平たく言えば「販売促進のための活動」です。マーケティング分野では、どういったプロモーション戦略を組むかにより、商品が売れるか売れないかに大きく左右します。
プロモーションビデオの目的も販売に大きく貢献します。商品やサービスに関する情報を紹介し、そこにさまざまな要素を取り入れることで表現方法を変え、ターゲットに響くような映像を作り出すことができます。
本稿ではプロモーションビデオを作成する上で押さえておきたいポイントをご紹介します。上手くいけば販売促進活動において高い効果を発揮するため、ぜひこの機会にプロモーションビデオについて理解を深めてと思います。
成功するプロモーションビデオの条件
一口にプロモーションビデオといってもさまざまな演出方法がありますし、商品によって何が最適かは変わります。ただし、どのプロモーションビデオを作成するにしても、成功に向けた一定の条件というものがあります。
条件1. その商品が問題を解決するプロセスをストレートに表現している
人(企業)が商品を購入したりサービスを利用したりするのは、そこに解決したい問題があるからです。プロモーションビデオにクリエイティブさや面白さなどを求める企業は多いですが、一番大切なのは「その商品を使うことで、どのようにして問題を解決するのか?」がストレートに表現されていることです。
商品を購入した人(企業)、サービスを利用した人(企業)は何かしらの問題を解決したいわけですから、その問題が解決されるまでのプロセス(道筋)をハッキリと示すことによって、商品やサービスを具体的に検討できるようになります。
ただカッコイイ、ただ面白いというプロモーションビデオは話題になることはあっても、ビジネスに繋がることは少ないのです。
条件2. 機能面や技術面の解説だけに集中していない
エンジニアが多くかかわるようなプロモーションビデオ作成の現場でやってしまいがちなのが、機能面や技術面ばかりにフォーカスして冗長な内容にしてしまうことです。機能面や技術面だけを解説しても視聴者は飽きてしまいますし、自己中心的な演出になり視聴者を白けさせることもあります。
プロモーションビデオ作成で大切なのは「誰に、どんな問題を解決して欲しいか?」を表現することであり、エンジニアは開発が専門なのでこの点が見えていない場合があります。周囲がプロモーションビデオとしての本質を見失わないようにリードすることが大切です。
条件3. 誰もがその商品を使っている場面を想像できる内容にしている
相当なニッチな市場を狙った商品やサービスでない限り、プロモーションビデオのターゲットとなる人は複数存在するでしょう。もちろん、その中でも特に商品やサービスをアピールしたいターゲットを決めることは大切ですが、販売規模を拡大するためには誰もがその商品を使っている場面を想像できるようにすることが大切です。
たとえば、一眼レフカメラはプロカメラマンも使用しますし、一般消費者も使用します。男性も女性も使用すれば、年齢層も幅広いでしょう。その中で特にターゲットにしたい人物を想定しつつ、誰もが商品を使っている場面を想像できるようにすることで、成功するプロモーションビデオ作成のポイントです。
条件4. 商品の魅力を全部伝えようとしないで訴求ポイントを絞る
皆さんがプロモーションビデオを活用したアピールしたい商品やサービスには、さまざまな魅力があることでしょう。商品開発者、サービス提供者としてそれらの魅力を座存分に伝えたいのはよくわかりますが、全部を伝えようとするのは困難です。
プロモーションビデオの役割は製品デモを行うのではなく、その商品が問題を解決するまでのプロセスを示すことです。なので、プロモーションビデオで訴求したいポイントをいくつかに絞り、集中的に訴求することが大切です。
条件5. 5W1Hに沿って誰に何を伝えるのか?を整理している
プロモーションビデオに限った話ではありませんが、映像の演出や構成を考える際には「いつ(When)、どこで(Where)、だれが(Who)、なにを(What)、なぜ(Why)、どのように(How)」という5W1Hをしっかりと設計する必要があります。
特に「だれが(Who)」と「なぜ(Why)」が重要であり、プロモーションビデオのターゲットとなぜその商品やサービスが必要なのかを明確にすることで、より良いプロモーションビデオ作成が行えます。
条件6. プロモーションビデオの映像時間が長すぎない
プロモーションビデオは一種のテレビCMのようなものと考えると良いでしょう。テレビCMは短くて15秒、長くても60秒で内容を納めています。ただし、テレビCMよりは少し入り込んだ訴求をするのがプロモーションビデオなので、もう少々長くても問題ありません。しかし、プロモーションビデオの映像時間が長すぎると内容が冗長になりがちなので、視聴者に飽きられてしまいますので注意が必要です。
条件7. ナレーションやテロップによって分かりやすく理解できる内容になっている
プロモーションビデオの中にナレーションやテロップを入れるのは非常に効果的です。映像に加えて音声やテキストで内容を分かりやすく理解できるようにすると、視聴者の記憶に残りやすくなります。
ただし、全面的にナレーションやテロップを入れるのではなく、重要なキーワードにフォーカスする方が、意識が分散されないのでより効果があります。
条件8. 音声(ナレーションやBGM)にこだわっている
プロモーションビデオなどの、商品やサービスをアピールするための映像では音声(ナレーションやBGM)の質が成否に大きく影響します。ナレーションを内製化したり、無料素材のBGMを使用してコストを抑えるのもよいですが、プロモーションビデオ効果の最大化を考慮すると、プロのナレーターに依頼したり有料のBGMを購入するのも検討すると良いでしょう。
条件9. 画面切り替えやズームアップ等によってテンポの良い内容になっている
プロモーションビデオの成否を握り大きなポイントの1つが“テンポ”です。画面の切り替えやズームアップ等を活用し、テンポの良い内容に編集されていると、視聴者を飽きさせないまま最後まで映像に集中させることができます。
条件10. プロモーションビデオにストーリー性を持たせる
ストーリー性のあるプロモーションビデオには人を惹き付ける魅力があります。単に商品やサービスをアピールするような内容ではなく、そこに何らかのストーリーを挿入することで、世界観に入り込む効果が期待できます。
ただし、ストーリーを全面的に押し出すのではなく、商品やサービスを使った問題解決のプロセスをしっかりと表現することが大切です。
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