ウェビナー(Webセミナー)は、顧客向けの商品・サービスの紹介や就職説明会などのほか、社内向けでも活発に実施されるようになりました。一方で、スムーズに運営するため、プロの運営代行業者のサポートを受けたい、または委託したいというニーズも生まれています。この記事では、ビジネスのウェビナーを成功させるために必要な準備や注意点、代行業者を選ぶポイントを解説するとともに、おすすめのウェビナー運営代行サービスを紹介します。
ウェビナー実行時の注意点
ウェビナー(Webinar)はWeb上で行うセミナーで、基本的に「Zoom」などの画面共有ツールを利用します。配信方法はライブと録画の2通りがあります。特にライブではチャット機能なども用いて、リアルセミナーに近いコミュニケーションが、参加者との間で可能です。
ウェビナー運営は、代行会社を利用することも有効です。本記事ではまず、自社運営・代行を問わず、ウェビナーを成功させるために重要な2点を説明し、その後、運営代行会社を選択する基準を示します。ぜひ参考にしてください。
配信環境を徹底整備
ウェビナーなら、参加者にとっても移動の時間・手間が省け、参加しやすいというメリットがあります。一方、Web上で行うため、セミナーの質や満足度が配信環境に左右されてしまいます。どんなに準備に時間をかけ、素晴らしい資料を用意しても、配信環境が安定していないとウェビナーの成功は望めません。途中で配信が中断したり、画面が固まったり、音声が途切れたりすると、せっかく参加してもらった視聴者に不快感を与えるリスクもあります。
こうした事態を避けるために、安定したネットワーク環境を準備し、予測される通信トラブルへの対応方法を決めておくことが必要です。また、マイクに周囲の騒音や雑音が入らないように、会議室など静かな場所で配信するべきです。自社内に適した場所がなければ、専用スタジオを借りることも検討しましょう。
「ゴール」を決め、集客施策もしっかりと
企業活動の一環としては、ウェビナー開催の目的やゴールを明確にしておくことが重要です。「見込み客の獲得か・クロージングまで進めるのか」、そういった目的やゴールが定まれば、ウェビナーの構成も決まり、参加者へのアフターフォロー方法なども決まります。
例えば商品やサービスの購入を目指すなら、参加者目線でその魅力をしっかり伝え、購入意欲を刺激しなければなりません。事前に目的やターゲットに適した集客を行う必要もあるでしょう。ウェビナー開催後、参加者へのアンケートを取るなどアフターサポートを実施しつつ、商品・サービス購入へ誘導していけるかどうかも、あらかじめ検討します。
ウェビナー運営・集客代行のおすすめ業者6選
前述のように、自社でのウェビナー運営や集客には少なからぬ準備と労力が必要です。企業によってはリソースなどの問題で自社運営が難しいと判断するかもしれません。
そのような場合はウェビナー代行サービスへの依頼も有益な選択肢です。おすすめのウェビナー代行サービスの中から6社を紹介します。
1. 株式会社ヒューマンセントリックス
株式会社ヒューマンセントリックスは、法人向けに動画制作、映像制作、配信の技術を提供している企業です。企画・立案・配信までをワンストップで提供できる強みを持っています。技術面でのサポート能力も高く、スムーズで質の高いウェビナー開催が期待できます。
ウェビナーの配信スタイルや目的によって最適化したプラットフォームの提案も可能です。YouTube Live、Vimeo、Zoom Webinars、Microsoft Teams、WebExなど複数の選択肢からベストなプラットフォームが選べます。
ウェビナー当日(配信日)までに細かいミーティングや現地の下見、配信テストを実施し、完成度の高いウェビナーを目指します。依頼側が用意するものは、配信・撮影スペースや長机、通信環境、音声出力端子やスクリーンのように、社内で完結しやすい点もメリットです。
当日は最小配信価格(30万円~)でもカメラスタッフ1名、配信スタッフ1名が必ず配置されます。ウェビナーの知識や経験がない企業も安心して任せられる点が強みです。
ウェビナー中の画面は「講演者のみ」「スライドのみ」「講演者とスライド」の3種類で構成できます。画面の切り替え操作に自信がない、あるいはより正確を期したい場合は、画面構成を担当するスイッチャーの応援も可能です。より細かく質の高いウェビナーが開催できます。
2. 株式会社ビッグビート
株式会社ビッグビートが提供する法人向けオンラインイベントプラットフォーム「KODOU」は、ライブ配信、オンデマンド配信からウェビナー開催方法を選択できます。100名から800名程度までは同一価格で対応、それ以上の大規模イベントも相談可能です。
事前登録から実際のウェビナー開催までの流れがスムーズに行えるほか、基本情報を展示するイベントサイトが構築できたり、参加者が参照したデータなどの収集ができたりといった強みを持っています。
3. 株式会社フロンティアチャンネル
株式会社フロンティアチャンネルが提供するウェビナー・ライブ配信代行サービスは、配信内容や予算に柔軟に対応しています。ウェビナーを開催したくても技術や知識に不安がある場合や、プロにワンストップで全てを任せたいケース、参加者を飽きさせたくないと考えている場合など、幅広いニーズが満たせます。
簡易なウェビナーから高品質のライブ配信、3DCGを駆使したバーチャルスタジオの制作に至るまで、企業の目的に合わせたレベルでの配信が可能です。フレームやテロップの作成、複数カメラを使った複数アングルの配信などにも対応し、視聴者を飽きさせない画面構成が実現します。
4. 株式会社マックスパート
株式会社マックスパートの貸し会議室・レンタルスペース「フクラシア」では、企画、会場手配、運営から集客までウェビナー開催に必要なフローを一括で請け負う配信サポートサービスを提供しています。サポートメンバーの手厚いサービスにより、主催者がウェビナー初心者でも安心して開催できる点が特長です。
配信機材や配信専用のネット回線など、ウェビナーに必要なものを取りそろえています。配信環境をまったく有していなくてもウェビナーを主催できます。
5. 株式会社グローバルリンクジャパン
株式会社グローバルリンクジャパンはウェビナーの運営・配信代行を手掛ける企業です。主にZoomによるウェビナー開催に対して全面的なサポートが提供されるため、Zoomの利用に慣れていなくてもスムーズにウェビナーが開催できます。
司会やカメラマンの手配も可能です。イベント規模に応じて、音響担当スタッフや画面の切り替え担当スタッフなどが必要に応じて配置されます。
6. ティーケーピー
全国に貸会議室を展開するティーケーピーでは、Zoomとパートナーシップ契約を結び配信サービスを提供しています。自社のZoomアカウントがない場合でもZoomウェビナーを開催することが可能です。Zoomの知識がない場合でも手軽にウェビナーが主催できる強みがあります。企画から配信までワンストップでサポートされているため、Zoom初心者やウェビナー未経験者でも安心です。
強力なインターネット回線を持つ独自の配信センターを有しており、専門スタッフのサポートにより高品質のウェビナーを配信できます。安定した回線状況でのウェビナー開催を希望する主催者にとって、心強い味方となることは間違いありません。
自社会議室やレンタルオフィスなど、ウェビナーセンター以外からの配信にも対応していますが、その場合はインターネット回線や機材の確認が必要です。状況によっては追加の機材や出張費が発生することもあるため、予算との兼ね合いに注意しましょう。
ウェビナー運営の代行会社を選ぶには?
おすすめの業者を紹介しましたが、実際に選ぶ際は多くの項目を考慮に入れた上で決定する必要があります。ここからは、選考時に押さえておきたいポイントを解説します。
サポート範囲を確認する
どんなサポートや代行をしてくれるかは、代行会社によって異なるため、事前にサービス内容とサポート範囲をしっかり確認する必要があります。会社によっては10,000人規模のウェビナーができたり、ライブチャットの記録やウェビナー中の質疑応答が可能だったり、常駐スタッフに運営の進め方や演出を相談できたりします。そのほかにエントリー用の申し込みフォームの作成やリマインドメールの一斉送信、ウェビナー終了後のアンケート作成まで代行してくれるところも。
ただし、ウェビナー運営全般を完全に委託すると、代行会社任せになり、いつまでも自社で運営できるようになりません。必要なサポートや代行を利用しつつ、ウェビナー開催の経験値を高めていくことをおすすめします。前述した通り、ウェビナー開催の目的とゴールをきちんと定め、目指すゴールへリードしてくれる、十分なサポート範囲を持つ代行会社を選ぶことが重要です。
専用の配信ルーム・スタジオを有しているか
自社でウェビナー開催の経験がない場合は、スタジオなどの専用配信スペースを持つ代行会社をおすすめします。代行会社に配信スペースが整っていれば、自社で設備を用意せずに手軽にウェビナー開催ができます。専用配信ルームやスタジオを選ぶ際は以下の点をチェックしましょう。
アクセス
自社以外のスタジオでウェビナーを開催する場合、機材を移動させなければなりません。手間と負担を抑えるには、「自社からのアクセスが良好、かつ、自社となるべく近いこと」がポイントです。
配信設備と専門スタッフ
配信環境を安定させるには、有線ネットワークが完備されているか、また、スタジオなどの配信スペースにライブ配信専用の電子機器をそろえているかをチェックします。配信サポートをしてくれる専門スタッフが常駐していることもポイントです。
照明設備
照明設備は動画のクオリティに直結するため、しっかり撮影した動画だと意識付けるには照明設備に気を配りましょう。配信サポートだけでなく、照明や音響の専門スタッフが常駐しているかもチェックします。
ただ、ウェビナーの経験が浅い場合は、いきなり本格的な環境で配信するよりも、会議室のような環境から配信に慣れていくほうが望ましいでしょう。
ビジネスとしての動画配信・制作に実績があるか
ウェビナーをビジネスツールとして活用するには、マーケティングに効果的な動画制作のスキルや制作実績を持つ代行会社に依頼することが重要です。
ウェビナーは目的に合わせたゴールを設定し、集客も行わなければなりません。そのため、自社のウェビナー開催意図を理解し、ゴールを目指した運営をしてくれる代行会社かを確認することが必要です。「これまでどのくらいビジネス用の動画制作の実績があるのか」をチェックすることも有効でしょう。
まとめ
ウェビナーを成功させるには、安定した配信環境を整え、目的やゴールを明確に設定し、集客もしっかり行うことが重要です。ウェビナーの運営代行業者を利用する際は、選定が重要です。選ぶポイントには、サポート範囲や専用配信ルーム・スタジオの有無、これまでの実績などが挙げられます。以上のことを踏まえて、実りのあるウェビナーを実施しましょう。
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