企業の新たなマーケティング戦略として認知されつつある「ウェビナー」。これはウェブとセミナーを組み合わせた造語で、現在ではさまざまな企業がウェビナーを開催しています。メリットが多いのは事実ですが、マーケティングとして成功させるには、大切なポイントと注意点を理解しておかねばなりません。本記事では、ウェビナーを成功へ導くために知っておくべきことを解説します。
開催前にできるウェビナー成功のポイント
ウェビナーを成功させるには、事前の準備が大切です。どれほど素晴らしいコンテンツであっても、下準備が不十分では望む効果は得られません。ウェビナーの開催前には、「目的やゴールの策定」「配信方法の選定」「集客」の3つを正しく行う必要があります。
ウェビナーの目的やゴールを策定する
まずは「何のためにウェビナーを開催するのか」を明確にしましょう。目的やゴールを明確にすれば、その実現へ向けた具体策を打ち出すことも、可能となるでしょう。目的やゴールを決めるときは、漠然とした内容ではなく、できるだけ具体的にすることも大切です。
というのも、「1回のウェビナーでクロージングまで持っていきたいのか」、それとも「見込み客を獲得したいだけ」なのか。こうしたゴールの設定の仕方で、ウェビナーの内容やアフターフォローの仕方が変わるからです。
例えば、商品やサービスを購入してもらうためなら、コンテンツ内でそれらの魅力を十分伝え、参加者の購入意欲をかきたてる必要があります。また参加者たちに、視聴後はどんなアクションを起こしてほしいのかを明確にし、クロージングにつなげなくてはなりません。
こうした目的やゴールを明確にすれば、コンテンツ作成自体はもちろん、ウェビナー後に参加者へかけるべきアプローチについても、具体策が見えてくるのです。
配信方法の選定
ウェビナーの配信方法は、大きく分けると以下の3つが挙げられます。
・リアルタイム配信
ライブ配信と録画配信があります。ライブ配信は、リアルタイムでの配信です。テレビの生放送と同様です。逆に録画配信は、あらかじめ制作しておいたコンテンツを配信します。
・参加方式
一方通行と双方向の2種類があります。一方通行はテレビ、双方向はツイキャスやYouTubeのライブ配信をイメージするとわかりやすいでしょう。配信中に、参加者側と配信側とがコミュニケーションを取れるものが双方向で、取れないものが一方通行です。
・アウトプットタイプ
一般的なセミナーをそのまま動画にしたような講義スタイルと、スライドを挿しこみつつ話しを進めるスライド使用タイプがあります。それぞれに利点があるため、優劣はつけられません。目的や方向性などを考慮しつつ選びましょう。
上記のように、配信方法はさまざまに選ぶことができ、メリット・デメリットも異なってきます。目的やウェビナーの内容に合わせ、ベストな配信方法を選びましょう。詳しくは、以下のリンク先で説明しているため、気になる方はチェックしてください。
「33867_ウェビナーの配信方法の違いとそれぞれのメリット・デメリット」へのリンク
集客施策の実行
次に、ターゲットを明確にしましょう。ターゲットとする層によって、ベストな集客方法が変わるからです。例えば、新規で見込み客を獲得したいのなら、さまざまな媒体を利用し、広く集客をかける必要があります。
すでに獲得している見込み客へクロージングしたいのなら、先ほどのような集客手法は必要ありません。自社で管理している見込み客リストを使い、メルマガやLINEなどで集客を行います。
集客方法には、SNSやメルマガなどのオンラインを用いた方法と、チラシ・DMなどを利用したオフラインでの方法があります。ウェビナーの集客方法について詳しく知りたい方は、以下のリンク先をご覧ください。
「ウェビナー集客の一般的な方法とは」へのリンク
開催当日にできるウェビナー成功のポイント
綿密な下準備を行っていても、開催当日に思わぬ不備が生じると、望んだ効果を得られない恐れもあります。以下、開催当日における大切なポイントをピックアップしました。
ネット環境のテスト実施
ウェビナーはインターネットを利用し、オンラインでコンテンツを配信します。ネットで配信する性質上、接続の不具合が生じることも珍しくないため、必ずテストを実施してチェックしましょう。
配信環境の不具合が発生してしまうと、伝えたい情報を伝えられなくなってしまいます。画面が乱れる、動画が止まる、音声が途切れるなどの症状が生じると、参加者が離脱してしまうこともあるのです。
少しでも不安要素をなくすため、当日にはネットの接続状況を必ずチェックしてください。また、マイクやカメラ、パソコンなどのハードウェアが正常であるかどうかも、併せて確認しましょう。
参加者用の問い合わせ担当者を決めておく
参加予定の方が、当日になって参加できなくなるケースは少なくありません。機会損失につながるため、参加できなかった方への対応をあらかじめ決めておき、なおかつ問い合わせにも対応する体制を整えておきましょう。
また、配信当日には予期せぬ出来事が発生する可能性もあります。このようなとき、スムーズな対応ができるよう、考えられるリスクや対策をまとめておきましょう。進行管理表も用意しておくと、不慮の事態にも慌てず対処可能となるでしょう。
開催後にできるウェビナー成功のポイント
ウェビナーは、開催したらそこで終わりではありません。最終的な目標を達成するため、または今後のウェビナーに活かすため、開催後にも適切なアクションを起こす必要があります。
ウェビナーに対するアンケート実施
アンケートを実施することで、参加者の顕在的なニーズを把握できます。ニーズを把握することで、参加者の求めている情報をより正確に見据え、次回以降のウェビナー開催へ向けた具体的な企画修正などへつながります。
またアンケートにより、「実施したウェビナーのコンテンツと、ターゲットがマッチしていたか」もリサーチできます。もしマッチしていなかった場合、コンテンツの内容を変更する、もしくはターゲットを変えるなど、次回へ向けた具体策を打ち出せます。
アンケートには参加者の名前や連絡先のほか、参加した動機も盛り込みましょう。質問したいことや困っていることなどの項目もあると、参加者のより具体的なニーズを把握できます。
アンケート項目は多ければ多いほど情報の密度が高くなり、有益な情報を得やすくなります。しかし、項目が多すぎるとかえって回答率の低下につながる場合もあるため、必要最小限に厳選しなくてはなりません。
また回答率を上げるには、回答行為にメリットを持たせると有効です。回答者だけにより有益な情報を提供する、粗品を進呈するなどすれば、回答率の低下を防げるでしょう。なお、回答可能な選択肢が少ないと未回答につながる恐れもあるため、できるだけ回答の選択肢を増やすことも大切です。
ウェビナー参加者にお礼メールを送る
お礼メールを送る目的はいくつかありますが、ひとつには「アンケート回答率を高める」ことが挙げられます。参加してくれたお礼を伝えることで好い印象を与え、なおかつアンケートに協力してほしい旨を記載すれば、回答率の向上が期待できます。
また、お礼メールを送ることで、次回ウェビナーの告知も可能。すでに具体的な日取りが決まっているのなら、メールに記載して送りましょう。申し込み専用のリンクを挿入して送るのもよいかもしれません。
お礼メールを送るタイミングは、ウェビナーを開催した当日、もしくは翌日がベストです。時間が経ちすぎると、ウェビナーの内容を忘れられてしまい、アンケートの回答率も低下してしまうかもしれません。
「鉄は熱いうちに打て」との故事もあるように、参加者の気持ちが高まり、購買意欲も湧きあがっているときこそチャンスです。特に、クロージングを目的としているのなら、なるべく早い段階でお礼メールを送りましょう。
まとめ
ウェビナーでは企画段階から開催後まで、対応すべきことが山積みです。ウェビナーを成功へ導くためには、周到な下準備が欠かせません。ゴールの決定と配信方法の選定をしっかりと行い、ターゲットを明確にすることで、集客を行いましょう。また当日には、ネット環境やハードウェアのテストを実施し、開催後は参加者へのフォローアップも忘れてはいけません。
準備から開催後までのプロセスで、どこかひとつでも不備が生じると、ウェビナーの成功が遠のく恐れもあります。今回の記事を参考に、綿密に計画を立てて実行することで、マーケティングとしての効果を実感していただけるでしょう。
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