ビジネスにおける動画コンテンツ活用が如何に重要か、これを理解している方は多いでしょう。サイバーエージェントとデジタルインファクトが共同で実施した調査によれば、2020年の動画広告市場規模は2,000億円を突破すると予測されており、2015年の市場規模506億円から5年で4倍という驚異的なスピードで拡大すると考えられています。
さらにスウェーデンの通信機器メーカーであるEricsson(エリクソン)が行った調査によると、動画コンテンツのトラフィックは年平均成長率55%に達しており、2021年にはすべてのモバイルトラフィックのうち70%を動画コンテンツが占めるとも言われています。
動画コンテンツを活用するためのシーンもニーズも、年々増加しているということなのでしょう。
そんな中、動画コンテンツに字幕(CC:クローズドキャプション)を付けるか否でその効果が変わることを理解している方はまだ少ないように感じます。字幕を付けることで一体何が変わるのか?今回はそのメリットをご紹介します。
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動画コンテンツに字幕を付けるメリット
それではさっそく動画コンテンツに字幕を付けるメリットをご紹介します。
耳の不自由なユーザーや聴覚障害があるユーザー、お年寄りのアクセス性を向上する
動画コンテンツを視聴するユーザーは実に多様です。動画コンテンツは耳が不自由だったり聴覚障害があったり、あるいはお年寄りでも楽しめるコンテンツですので、そうしたユーザーのアクセス性を向上するためにも字幕は欠かせません。
字幕によってSEO効果を向上し動画コンテンツへのアクセスを集中させる
近年ではディープラーニング(深層学習)による画像認識技術や音声認識技術が飛躍的に進歩しています。しかし、現時点で検索エンジンが動画コンテンツの質を評価するにはやはりテキストが中心になっています。
動画コンテンツに対するSEOといえば、検索エンジンのアルゴリズムを理解した上でタイトルや説明を記載したり、適切なタグを付けるという施策が一般的です。そこに字幕というテキスト情報を追加することで、検索エンジンは動画コンテンツの内容を理解しやすくなり、高く評価する可能性が上がります。
その上で多様なユーザーのアクセス性が向上し動画コンテンツ視聴時間が伸びれば、相乗効果で高い評価を獲得し検索結果上位に表示される動画コンテンツを配信できるでしょう。
ちなみに動画のコンテンツSEOを実施する際は動画コンテンツに字幕を埋め込むだけでなく、テキストデータとしての字幕を用意することも忘れてはいけません。
モバイル端末での視聴を想定してミュート再生に対応する
世界最大級の動画配信プラットフォームを運営するOoyala(ウーヤラ)が2015年に発表した調査によると、動画コンテンツを視聴するユーザーの50%以上はモバイル端末から視聴しています。モバイル端末から視聴するということは、時に音の出せない環境下で動画コンテンツを視聴しているケースも多いでしょう。
さらにInstagram(インスタグラム)がFacebookの動画コンテンツの字幕ありとなしでABテストを実施したところ、字幕なしの動画コンテンツは再生回数や平均視聴時間など視聴に関する指標については5%程度低下し、シェアやクリックなどのアクション関連指数に関しては15%以上低下したという結果が出ています。
これらのデータから動画コンテンツに字幕を付けることは今や必須事項であり、マーケティング効果に大きな影響を与えます。
国境を越えた動画コンテンツの配信を可能にしシェア拡大を図る
外資系企業が日本市場を考えた場合に日本語の字幕をつけることは一般的ですが、国産企業は動画コンテンツに英語の字幕を付けるだけで世界中に向けて動画コンテンツを配信できます。近年では越境ECなど国境を越えたWebビジネスを展開するケースが多くなり、マーケティングにおいても国際化が進んでいます。英語やその他言語の字幕を付けることで、日本だけでなく世界市場を視野に入れた動画マーケティングを実施できるでしょう。
このように動画コンテンツに字幕を付けることは想定以上のメリットを生みます。今後動画コンテンツを使ってビジネスを拡大したり、マーケティングを展開したいという場合は、積極的に字幕を付けていきましょう。
動画コンテンツに字幕を付ける際のポイント
一口に字幕を付けるといってもその方法は様々ですし、成功するためのポイントもあります。ここではそのポイントについてご紹介します。
Point 1. 字幕のデザイン性を高める
SNS上で動画コンテンツを配信する際はフィード上で流れる無数のコンテンツの中で、自社の動画コンテンツに目を止めてもらうことが第一目標になります。そのためサムネイル画像の重要性はもちろん、字幕のデザイン性を高めることも大切です。動画コンテンツのコンセプトに合わせてフォントやデザインを変更することで、ユーザーの関心を惹き付けることができます。
Point 2. 時にはデザイン性を抑えることも大切
動画コンテンツもビジネスの目的によってそのコンセプトが変わります。SNS上で配信するようなクリエイティブな動画コンテンツならば前述したポイントが大切ですが、事例インテビュー紹介などの動画コンテンツでは“誠実さ”をアピールすることが大切です。そのため時には過度なデザインは控えて、シンプルな字幕を付けることも考えましょう。
Point 3. ストーリー性を強調する使い方を
動画コンテンツの中で音声が無いシーンにおいても字幕を付けることで、そのストーリー性を高める効果があります。
Point 4. 音声をそのまま字幕にしない
字幕は動画コンテンツの音声をテキストとして起こすのが基本ですが、そのまま字幕として付けてしまうのはおすすめしません。音声を実際に耳にするのと字幕として目にするのとでは理解度が違ってしまうからです。たとえば話し始めの「えー…」といった音声まで字幕にしてしまうと、テキストとして読みづらくなってしまいます。ですので音声の内容に対して忠実にテキストを起こしつつ、字幕として読みやすいものにすることも大切です。
Point 5. 翻訳の際には意訳で短くする
外資系企業が和訳した日本語を字幕にのせる場合、一般的に長くなりがちです。これは英語が1バイトであるのに対して日本語は2バイトであったり、カタカナにしたり、日本語の方が冗長であったりといったところからきます。長い日本語を字幕にしてしまうと非常に読みづらくなります。このことから文章を短くする必要がでてきます。
このように、動画コンテンツの字幕はただ付ければよいというわけではありません。動画コンテンツの種類やコンセプトによって最適な字幕の形は異なりますので、ここでご紹介したポイントを押さえて字幕を作成しましょう。
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当社ヒューマンセントリックスは営業現場など直接的なビジネスで活用する動画コンテンツから、イベントやセミナーで活用する動画コンテンツ、マーケティングで活用する動画コンテンツまで多種多様な動画コンテンツを制作しております。2,000社50,000タイトル以上の動画コンテンツ制作実績から得たノウハウにより、あらゆるビジネスシーンに適した動画制作を実施致します。
動画コンテンツへ挿入する字幕に関するノウハウも多くあり、ビジネスやマーケティングの目的に応じて適切な字幕を作成します。さらに動画コンテンツSEOを視野にいれた対策を行い、動画コンテンツが効率良く多数のユーザーに視聴されるような仕組み作りも行います。
動画コンテンツ制作およびマーケティング効果を上げる字幕の使い方に関するご相談は、ぜひ当社ヒューマンセントリックスまでお問い合わせいただければ嬉しいです。
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