動画マーケティングの実施を検討している企業のマーケティング担当者は動画の市場動向や有効性について理解しておく必要があります。この記事では、動画コンテンツや動画広告市場の概要から、市場規模、動画マーケティングの効果、将来性まで紹介しているので参考にしてください。
動画コンテンツや動画広告の市場は拡大傾向
動画コンテンツの市場は拡大傾向にあります。 ニールセンによると、2019年6月時点で動画視聴の月間平均利用時間が7時間13分となっており、5年間で約4倍に成長しました。このデータは数年前のものであるため、YouTubeやTikTokなどの勢いから現在はさらに拡大しているものと思われます。
(参照:https://www.netratings.co.jp/news_release/2019/11/Newsrelease20191121.html)
さらに、ひと研究所の分析でも、新型コロナウイルスの影響によりネット動画視聴が増加しています。特に注目に値する傾向として、テレビで動画を視聴する人が増えていることです。要因としては、リモコンにテレビとインターネットをつなぐボタンがあることや、特に映画などは大画面で視聴したいニーズがあることが考えられます。
(参照:https://www.videor.co.jp/digestplus/media/2022/04/68747.html)
また、総務省の「令和2年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」によると、Netflixなどの動画配信サービスの利用率は、2019年では17.4%だったのが、2020年には46.3%へと急拡大しています。
このようにユーザーの行動変化と共に動画コンテンツの市場は近年拡大しており、それに付随して動画広告や配信の市場も大きくなっています。
動画の市場規模
動画マーケティングを行う上で、動画の市場規模を把握しておくことは重要です。特にマーケティングに関わる動画配信市場および動画広告市場の規模について、以下で確認しておきましょう。動画配信市場の規模
新型コロナウイルスの影響によって動画配信市場は活発になっています。 アドテクノロジー事業者であるAJAの調査によると、2021年の動画配信の市場規模は7,151億円となり、前年比123%の見込みとのことです。(参照:https://www.cyberagent.co.jp/news/detail/id=27446)
2024年には動画配信サービスの市場規模は、1兆円を突破するとの見通しを示しています。 定額動画配信サービスや都度課金型サービスも成長している点も注目できます。定額動画配信サービスの増加の背景には、新規参入事業者の存在が大きくあり、オリジナルコンテンツの提供によって利用者が拡大した模様です。都度課金型サービスについては、ライブなどをはじめとするイベントのデジタル化が寄与しています。
動画広告の市場規模推移
動画広告の市場規模も動画配信市場と同様に拡大しています。サイバーエージェントによると、2021年のネット動画広告の市場規模は、前年比42.3%増の4,205億円との推計を発表しています。
2022年は前年比30.7%増の5,497億円となる見込みです。さらに、2025年にはネット動画広告のみで1兆円規模を超える見通しを立てています。 (参照:https://www.cyberagent.co.jp/news/detail/id=27195)
動画コンテンツ事業者の魅力的なコンテンツによって市場が盛り上がっており、そこへさまざまな業界および業種の広告主が動画広告を出稿する動きが加速している状況です。
動画によるマーケティング効果は?
マーケティングに動画を用いることで、成約や問い合わせにつながるといった効果はあるのでしょうか。動画マーケティングの効果に関する種々の調査結果を見てみましょう。購買行動への動画の影響も増大
マーケティング・リサーチ会社クロス・マーケティングが、全国の13~34歳の男女1,000人にアンケートをとったところ、YouTubeのユーザーは941人でした。その中で、「最近1カ月以内にYouTubeに影響されて買ったまたは課金したものがある」と回答した人は、13~15歳の男女と19~22歳女性では3割を超え、ほかのほとんどの年齢層でも2割を超えています。 (参照:https://www.cross-m.co.jp/report/sns/20201109youtube/)
TesTee(テスティー)が10~20代の男女1,378人に対してアンケートをとったところ、「YouTubeから影響を受けて消費行動を起こしたことがある」と答えた10代は約70%、20代は約56%との結果でした。 (参照:https://lab.testee.co/youtuber_2020#YouTuber-3)
どちらの調査でも、動画の視聴が購買行動に与える影響は大きいことがうかがえます。
動画によって広告の効果も向上
動画を広告に利用することによって、効果が向上する傾向にあります。アライドアーキテクツの「企業のデジタルマーケティング施策における動画活用の実態調査 2021」によると、動画コンテンツを利用したことで、静止画コンテンツに比べて成果が向上したと回答した企業が約62%でした。
動画は静止画よりも多くの情報を盛り込めるため、広告に動画を採用することで、企業は情報をより細かく伝えたり訴求したりできます。その結果、静止画での広告に比べて動画広告は、コンバージョンにつながりやすくなったと考えられます。 なお、TikTokなどの短尺動画市場が活況であることからもわかるように、動画広告は短くてインパクトのあるものが好まれる傾向です。
動画市場が成長している背景
動画市場が成長している背景には、新型コロナウイルスの影響が大きいと考えられています。行動制限によって外出がしにくくなり、旅行やイベントも開催できない状態でした。そのような状況において、退屈しのぎとして動画コンテンツが求められるようになりました。
そうした流れから、若年層だけでなく50代などにも動画が視聴されるようになっています。 また、アライドアーキテクツの調査結果によると、新型コロナウイルスによる外出自粛規制中におけるSNSの利用時間が増えたと回答した人は、約34%とのことです。 (出典:https://service.aainc.co.jp/product/echoes/voices/0033)
タイムラインへの投稿および広告出稿も、静止画から動画へシフトする動きになっています。
動画需要 今後の展望・将来性
5Gの普及によって、より動画を楽しみやすい環境となるため、動画の需要は今後さらに拡大していくことが期待されます。5Gになると通信速度が4G以上に速くなるので、これまで以上に動画を快適に見ることが可能です。サクサクと動画を見られるようになれば、より多くの人が動画視聴したいと感じるでしょう。
新型コロナウイルスの影響で伸びた動画の需要は、アフターコロナでも続いていくと予想されます。新型コロナウイルスの影響で動画コンテンツを視聴するようになった層が、動画コンテンツを楽しんでおり、課金するユーザーも増えています。
さらに、動画コンテンツの充実や5Gの普及によって市場は活況となる模様です。 動画需要の伸びに伴って、動画コンテンツや広告の制作・編集の需要も高まっています。動画制作を内製したいと考える企業も多いものの、専門スキルを持った人材が社内にいなかったり、高品質のものを制作するノウハウがなかったりすることが課題となっています。
まとめ
動画コンテンツや動画広告の市場は、新型コロナウイルスの影響で拡大しており、今後は5Gの普及とともに、さらに動画の需要が伸びていくと予想されます。若年層以外の年齢層が動画を視聴する機会も増えています。
動画コンテンツ活況の背景には、新型コロナウイルス以外にも新規事業者の参入があり、オリジナルコンテンツを中心に人気を得ている状況です。動画コンテンツの需要が増加しており、そこへ広告を出稿する動きが活発です。動画広告によってコンバージョンが向上するなど、動画マーケティングによる一定の効果が期待できます。
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