動画マーケティングとは?メリット、手法、成功ポイント、戦略、KPI、事例

 2022.03.09  2023.07.31

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YouTubeやTikTokなどが流行し、動画という存在が当たり前になった社会で、企業のマーケティングにおいても動画は注目されています。そこで、動画マーケティングのメリットや、実施する上でのポイント・成功事例を解説します。また、本記事では実際の動画マーケティングを実施する必要のある担当者に向けて動画マーケティングの本質を理解し、動画制作や実践に役立つ内容をご紹介します。

動画マーケティングとは?その始め方と成功のポイント 更新情報:
2022/3/20  動画マーケティングの市場規模を追加
2022/5/25    Webマーケティングやデジタルマーケティングとの位置付けを追加

動画マーケティングとは?動画の戦略的活用のススメ

動画マーケティングは、動画を通じてサービスや商品、自社の魅力などを発信し、集客や宣伝、販売活動を行うことです。単に動画を制作して公開するだけでなく、KPI(目標)を定めて効果測定や分析を行い、次につなげていくことが重要です。幸い動画はデジタル化されているため測定可能な点が現代のマーケティングに即していると言えるでしょう。

このように動画を活用したマーケティングは、いわゆるコンテンツマーケティングの一種でもあります。また、最近はWebマーケティングやデジタルマーケティングなどが主流になりつつあり、その構成要素としてコンテンツを活用した動画マーケティングに注目が集まっています。

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動画マーケティング、注目の理由

動画マーケティングは、動画を使って製品やサービスを宣伝・販売し、デジタルやソーシャルチャネルでのエンゲージメントを高め、消費者や顧客を教育に貢献します。また、動画をサポートしている新しいメディアやチャネルで新しい視聴者にリーチすることも可能です。それ以外にも動画マーケティングが今注目されている大きな理由として「通信環境やソフトウェアの整備、動画活用プラットフォームの進化に伴い、動画が身近な存在になった」ということが挙げられます。

今では、スマートフォンを利用して個人が簡単に情報を発信・受信できるようになりました。実際、TikTokやInstagramのリール、YouTubeを視聴・発信する人が急速に増加しています。以前は、若年層において「テレビは見ないがYouTubeは見る」という人が多くいましたが、最近では中高年でもYouTubeなどを閲覧する傾向が強まっています。通勤電車やカフェなどでも動画を見ている人が多くなっていることからも動画が主流になってきていると言えるでしょう。

動画マーケティングが注目されている背景には、①インターネット環境の整備、②スマートデバイスの普及、それと③動画コンテンツが持つ情報力が大きく関係しています。

インターネット環境の整備

Wi-Fiをはじめとする通信インフラの利用範囲が拡大し、通信料金の定額制が一般的に普及したことによって、動画コンテンツを視聴するためのインフラのボトルネックが完全に解消されています。YouTubeにおける動画再生時間はすでに月間10億時間を超えています。

スマートデバイスの普及

スマートフォンを中心にスマートデバイスが普及したことで、いつでもどこでも好きな時に動画を視聴できる環境が整っています。皆さんもカフェや電車の中で動画を見ることも増えてきているのではないでしょうか?昨今ではインターネットへのアクセス率において、スマートフォンがパソコンを超えるなどスマートフォン利用比率がかなり高くなっています。スマートフォンで動画コンテンツを視聴するユーザー向けにマーケティング活動を実施することが、今、大きな注目を集めています。

動画コンテンツが持つ情報力

動画コンテンツは映像に音声が加わります。1分間の動画コンテンツにはWebサイト3,600ページ分の情報量があると言われており、大量の情報を短時間で伝達できるというのが大きなアドバンテージです。また、動画コンテンツは多彩な表現によってユーザーに伝えるメッセージをガラリと変えることもできるため、多様なコンテンツの中で最も情報力が高いと言えます。

このように、動画コンテンツは社会の中で当たり前の存在となっているため、マーケティングでも、必然的に動画の利活用が注目されています。

動画マーケティングの市場規模

動画マーケティングの市場規模は年々拡大しています。それらを確認するためにマーケティングの一部である広告について確認してみたいと思います。 

サイバーエージェント社が2022年1月に発表した2021年国内動画広告の市場調査によりますと2021年の動画広告市場は4,195億円に達し、前年対比で142%の成長であったと報告されています。

動画マーケティングの市場規模

参照:サイバーエージェント、2021年国内動画広告の市場調査を発表

また、今後の動画マーケティング市場も引き続き拡大を続け2022年に5,457億円、2025年には1兆円規模に達すると予測しています。このように動画を活用したマーケティングは、ますます重要性を増しているとともに、あらゆる産業が力を入れ始めているともいえるでしょう。

動画マーケティングのメリット

ここでは動画をマーケティングに利用するメリットについてご紹介します。

目標を達成しやすい

動画はテキストなどと比べて短時間で多くのことを伝えることができます。そのため、設計された動画をターゲットに閲覧させることで事業の目標を達成しやすくすることができます。

例えば商品動画で端的に商品の良さを伝えれば購買行動へと誘うことができますし、細かい話ですとランディングページに動画を配置することでコンバージョン率も高めることができます。何より動画は人々の五感に訴えることができるためメッセージが伝わりやすいという特徴があります。

ターゲッティングしやすい

テレビCMは受動的に情報を得ますが、SNSや動画投稿プラットフォームにある動画はユーザーが能動的に調べスクロールするなどの行動をして情報を得ています。そのため広告主側も、ユーザーの性別・年齢・地域・興味分野などをピンポイントで詳細かつ具体的に絞り込んで、ターゲティングしやすいと言えます。この点はテレビCMでのターゲティングとの大きな違いです。

効果検証しやすい

さらに測定ツールを使うことで、「実際にどんなユーザーが動画や自社広告を視聴して、商材購入につながったか」などを分析でき、より細かいマーケティングに活かせます。また、動画マーケティングはデジタルとの相性も良いためきめ細かな分析が可能です。

例えば、その評価指数には「総再生数」「時間帯別再生数」「ユニーク再生数」「1回あたりの平均視聴時間」「視聴率」「再生率」などがあります。また、どこで離脱しているのかなど細かな分析を行うことも容易です。どの評価指数を使うかを先に決めて目標を立てておくと、より効果検証も実行しやすいでしょう。

低予算で行える

以前は動画制作というと非常に高価なものでした。例えばテレビCMなどは莫大な予算が必要となります。最近では動画を活用するシーンが増えてきている背景から、より身近に動画を制作できる環境が求められてきています。

そのため低価格化も進みつつあり、例えば弊社ヒューマンセントリックスでも18万円程度から動画の制作が可能になりました。作成した動画は、自社Webサイトだけでなく、YouTube・TikTok・Twitter・Instagramなどの既存のプラットフォームを利用すれば効果を最大化できるでしょう。

拡散されやすい

動画は情報伝達量が多く、人間の記憶に残りやすい媒体であると考えられています。また、動画なら「ながら見」によって、ユーザー側の情報獲得ハードルも低くなります。

このように、見やすく記憶に残りやすい動画は、拡散されやすさにもつながっています。実際に、動画マーケティングの調査では、ブログ投稿や記事、製品ページと比べて動画コンテンツは2倍共有されやすいということがわかりました。さらに、シェアや「いいね」をされた動画なら、より多くのユーザーに視聴してもらえると期待できます。

(参照:Video Marketing Statistic 2022 Wyzowl

デモ映像を流せる(訴求力)

テキストや画像だけで商品詳細を紹介するのには限界があります。一方、動画コンテンツでは実際に商品を使っているデモ映像などを流すことができるため、短時間で五感に訴えかけ、細部まで商品の魅力を伝えることができます。昨今では、デモ映像から直接商品を購入できる“動画コマース”も盛んに行われています。

配信先が豊富

動画マーケティングでは世界大手の動画配信プラットフォームであるYouTubeはもちろん、FacebookやInstagram、TwitterなどのSNS、自社Webサイトなどさまざまな配信先があります。配信先が非常に豊富なので、1つの動画コンテンツを多方面で活用することができます。

動画視聴が生活の一部になっている

スマートフォンユーザーは若年層ほど1日の動画視聴時間が長くなる傾向にあります。近年ではBtoBユーザーにおいても動画がデフォルトになりつつあります。動画マーケティングは非常に高い効果があります。

動画マーケティングのデメリット

動画マーケティングのデメリットは、何事にもいえることかもしれませんが、やはり動画製作やマーケティング、広告に精通した人材が必要になることでしょう。

これから動画マーケティングを始めようと思っている方々にとっては、主観的なものではありますが若干敷居が高く感じるのも動画マーケティングの特徴と言えるかもしれません。実は初めてしまえばこんな物だったのかと感じる人も少なくないのも事実なのですが。

さらにメリットでご紹介しました低予算で行えると言うのも、動画マーケティングの知識レベルを上げたり、機材やソフトウェアを揃えたり、広告予算を準備したり、などを考慮するとコストが発生することも事実です。

そこはROIを考えながら自社で体制を構築するのか、もしくは経験のある制作会社に依頼するのかなどの判断が必要になるでしょう。まずはプロに相談しながら進めていくことで失敗の確率を下げることも可能になります。以下に代表的なデメリットをまとめました。

動画制作を行うスキルが無い

動画コンテンツを制作するにあたり、一番の課題がやはり「動画制作のスキル」です。動画マーケティングに取り組んだことがない企業の大半は、動画制作の経験がありません。そのため、どういった動画コンテンツを制作すればよいか、どのように制作すればよいかが分かりません。

この場合、方法は2つあります。

1つは映像制作会社に依頼することです。動画コンテンツの制作に実績豊富な制作会社に依頼することで、品質の高い動画コンテンツやビジネスに直結するような動画コンテンツを制作できます。弊社、ヒューマンセントリックス にお声がけいただくかたはこのようなお客様です。

もう1つの方法は、動画コンテンツ制作ツールを使用することで。市販のビデオカメラやスマートフォンで撮影した映像を編集することで、簡単に動画コンテンツを制作できます。動画コンテンツの目的や予算等に応じて選ぶことが大切です。

動画マーケティングのノウハウが無い

従来からのデジタル・マーケティングを実施してきた企業でも、動画マーケティングを実施するためのノウハウが無いというケースが多々あります。テキストや画像を主体としてマーケティング活動とは様態が異なるため、やはり動画マーケティングに特化したノウハウが必要になります。独学でノウハウを身に付けるか、映像制作会社のノウハウを吸収するというのが一般的な展開方法になるでしょう。

何を動画にして良いかわからない

弊社のお客様では、そもそも何を動画にして良いのかわからないというお客様も多数いらっしゃいます。弊社では企業活動はコンテンツの集合体と考えています。このコンテンツのほぼ全ては動画にすることができます。例えば営業活動で活用しているPowerPointも見栄えの良い動画にすれば営業活動の効率化に繋がります。また、会社案内、事例、人材採用、施設紹介、IR、ブランディング、マニュアル、研修などなど使い道を数え上げたらきりがありません。本当に重要なことはまず初めて、その効果を実感することに他なりません。もし、このような不安を抱えている方がおりましたら弊社までご相談ください。

これらの課題としっかりと向き合い、動画マーケティングを実施していくことが失敗せず、成功させるためのポイントだと言えます。

動画マーケティングの成功ポイント

動画マーケティングの成功のポイント

動画マーケティングにはたしかに多くのメリットがあります。しかしポイントを押さえながら実施しなければ、得られるメリットも少なくなってしまうかもしれません。気をつけるべきポイントを4つにまとめました。

  1. 目的・ターゲットを明確にする
  2. 配信媒体を決める
  3. 動画製作の依頼先を決める
  4. 複数回の接触を行う

ぜひ押さえておきましょう。

1、目的・ターゲットを明確にする

動画マーケティングの目的は大きく3つに分けられます。

  1. 製品販売促進
  2. 商品やブランドの理解促進とファンづくり
  3. サービス認知の拡大

です。

この目的設定によって、制作する動画や配信する場所が変わります。例えば、①を重視したいなら「視認性の高いものを作りSNSに拡散されやすいように配慮する」、②・③を重視したいなら「情報を直感的に伝えられるように制作する」といった具合です。

制作すべき動画内容は、自社ターゲットが「女性か男性か、若年層か高齢者か」によっても変動します。配信する場所、起用するタレント、構成なども適切に考える必要があるでしょう。

またKPIを作り、目的達成度を随時判断しつつ、効果検証を行うことも重要です。例えば、①のために製品認知拡大を狙っているなら、「再生回数」や「インプレッション数」などがKPIになるでしょう。このように、自社や動画制作のターゲット・目的を明確にし、それに応じたKPIを設定して、制作・投稿・効果検証を続けることが大切です。

2、配信媒体を決める

ターゲットユーザーについて、好みのメディア傾向や、視聴しやすい時間帯を把握し、それらにフィットする配信を行うことも重要です。自社Webサイト掲載や営業ツールとしての利用以外にも、事前に配信媒体を検討しておくと良いでしょう。YouTubeやSNSでも、各ユーザーの年齢層や特徴が異なります。自社がターゲットとしたユーザーの属性を押さえた投稿を行いましょう。継続的に行うことで検索結果に表示しやすくできます。

広告バナーはターゲットを絞った告知が可能ですが、予算に応じて配信媒体やスケジュールを立てなくてはなりません。また、メールマーケティングを行なっている企業は、公開中の動画URLをメルマガに張り付けておくという方法も有効です。

3、動画制作の依頼先を決める

動画制作には主に、「自社制作」と「制作会社に依頼」という2つの方法があります。それぞれのメリット・デメリットを鑑みて、制作方法を決めることが重要です。

自社制作を行うには、動画制作に詳しい人員やスタジオをそろえておく必要があります。人件費や日々進化する技術へのキャッチアップなどの費用は発生しますが、社内であるために融通が利きやすいというメリットもあります。また、大量に動画を制作する場合にはスケジュールのやりくりなどの問題が発生するケースもあるので将来に渡ったプランニングが重要となるでしょう。

一方の「制作会社に依頼」というケースにおいては諸々の説明や調整などの業務が必要となるでしょう。自社の目的をきちんと依頼先へ伝えられれば、動画制作のプロたちによってハイクオリティで広告効果も高い作品を仕上げてもらえる可能性が高まります。またクオリティを担保しつつ、自社内の人的リソースを抑えて制作を進められます。こうした外注の場合は、経験豊富な制作会社に依頼し、相談を重ねることが有効です。「動画の流行りや実際の運用方法」を突き詰めて考えながら広告制作を進めていける状況が、自社内に形成しやすくなるからです。

いずれの場合もメリット・デメリットがありますので理解いただければと思います。

4、複数回の接触を行う

無事に動画を公開できたとしても、ターゲットユーザーになかなか届かなければ、マーケティング目的を達成することは難しいかもしれません。ターゲットに動画を視聴してもらい自社ブランドをよりよく認知してもらうには、複数回の接触(リーチ)が不可欠です。

例えばターゲットユーザーが頻繁にYouTubeにアクセスしているなら、YouTubeに動画広告を出すことを検討しましょう。このように、ターゲットの属性を基準として、「どうしたらリーチを増やせるのか・適切な動画メディアは何か」を絞り込んでいきましょう。

 

動画マーケティング戦略(HHH戦略)

この章ではGoogleが提唱する動画マーケティングの戦略「HHH戦略」についてご紹介します。前述した動画マーケティングのポイントの補完情報として捉えていただければと思います。

動画は無闇に作ると散らかってしまい後々収拾のつかないものになりがちです。「HHH戦略」は、それらを体系立てて戦略的に構成するのに役立つ考え方(戦略)です。Googleでは、動画において「Hero」「Hub」「Help」と言う3つのタイプのコンテンツを構成することを提案しています。この頭文字をとって「HHH戦略」と言っています。これから作成する動画が、このどこに属するのか、どこを増やしたいのか、バランスは取れているのか、などを意識しながら構成していくと良いでしょう。

Heroコンテンツ

Heroコンテンツは、自社で発信し話題性を提供するコンテンツです。ターゲットとする幅広い視聴者層に自社の商品やサービスを紹介するものと考えるとわかりやすいでしょう。メディアに取り上げられたり、ソーシャルメディアを通じて拡散したりすることで「潜在顧客」に認知されることを目的に作成します。

Hubコンテンツ

Hubコンテンツは、見込客に対して、より興味を持ってもらったり共感してもらったりことで購買や目標達成へと繋げるための動画コンテンツ戦略です。Heroコンテンツが認知なのに対して、Hubコンテンツは、よりターゲットが絞り込まれた物であり自社のこだわりポイントや事例、差別化ポイントなどファネルの中盤を司るものとなります。

Helpコンテンツ

Helpコンテンツは、Hygieneコンテンツとも言われており今後ユーザーになりうる人たちが抱える課題に対応するコンテンツ戦略です。

例えばよくある疑問や質問に答えるコンテンツや使い方などの動画マニュアル、顧客サポート動画など、常時顧客の助けに答えるための動画と考えると理解しやすいでしょう。顧客のリピートやファン化、満足度向上につながることを目的にします。

参照:The YouTube Creator Playbook for Brands

動画マーケティングの成功事例

動画マーケティングについてより明確なイメージを固めるため、いくつの実例を紹介します。自社なら「どのような動画を制作・配信すればいいか」を考えながら参照してみてください。

ターゲットの来店促進に寄与|メルセデス・ベンツ日本

メルセデス・ベンツ日本は、人気ゲーム「スーパーマリオブラザーズ」(任天堂)とコラボ動画を配信することで話題になりました。新発売する車のターゲット層の30代が親しみやすい「マリオ」というキャラクターを起用することで、「高価で手を出しにくい」というイメージを一変させ、40代以下の来店促進に成功しました。
https://response.jp/article/2014/07/11/227455.html

アニメ動画で問い合わせ倍増|ダスキン

ダスキンは、家族介護支援サービスのプロモーションを、アニメのストーリー動画にして配信しました。これにより、前月比で問い合わせ件数が倍増しました。静止画では伝わりにくく実写では生々しくなってしまうコンテンツを、アニメとして制作したことにより、わかりやすく親しみやすいイメージで提示し得た好例です。
https://corp.cmsite.co.jp/case/case05.html

また、弊社ヒューマンセントリックスが制作した動画はこちらからご確認いただけます。
https://www.humancentrix.com/works

動画マーケティングのKPIと導入ステップ

動画はデジタルであるため数値化しやすいというメリットを前述しました。成功しているのか失敗なのかを測定ツールを使い確認することが可能です。KPI(キー・パフォーマンス・インジケーター:重要評価指標)とは、経営やマーケティング効果を測定するために用いる指標であり、動画マーケティングにおいてもKPIを活用することでその効果を可視化して、施策を評価したり改善を加えたりしていきます。

動画マーケティングは配信して終わりではなくむしろ始まりです。効果測定を確実に行い、成功要因を分析してノウハウとして蓄積したり、失敗要因を分析して改善点を見つけたり、といった継続的な取り組みが大切です。そのためにKPIが欠かせず、段階的に動画マーケティングの効果を高めていきます。それではKPIを策定するためのステップをまずはご紹介します。

KPIを作るための3ステップ

KPIをつくるための3ステップ

ステップ1. マーケティングの目的を決める

動画マーケティングにおけるユーザーとのタッチポイント(接触機会)は多様です。たとえばSNSでの配信や企業WEBサイト内での動画配信、動画プラットフォームの広告やオンラインショッピングでの商品紹介など数え切れません。しかしいずれのタッチポイントでもユーザーに求める行動、つまり動画マーケティングの目的が存在します。おそらくその目的は「認知」「検討」「購入」のどれか一つでしょう。

認知は「商品やサービスについて知ってもらうこと」を中心に動画マーケティングを展開し、検討は「商品やサービスの価値を訴求する」動画が中心になります。購入では「ユーザーが具体的な検討ができるような」動画を配信するのが一般的です。目的はいくつかあってもよいのですが、できれば一つに絞った方が動画マーケティングのKPIを設定しやすくなります。

ステップ2. 目的に沿ったKPIを設定する

動画マーケティングの目的が決まったらそれに沿ったKPIを作成していきます。KPIは何でもよいわけではありません。目的ごとに適切なKPIはおおよそ決まっています。たとえば、YouTubeなど動画プラットフォームで動画広告を配信する場合、それぞれの適切なKPIは次のようになります。

認知のKPI
  • 視聴回数…動画広告をユーザーが視聴した回数
  • インプレッション…動画広告が画面上に表示された回数
  • ユニークユーザー…動画を視聴した人数
検討のKPI
  • 視聴完了率…動画が30秒以上視聴された回数
  • 再生時間…動画の総再生時間や平均再生時間
購入のKPI
  • クリック数…動画広告がクリックされた回数
  • 問い合わせ数…動画広告を通じて受けた問い合わせ回数
  • 会員登録数…動画広告を通じて得た会員登録数
  • 売上…動画広告を通じて得た売上

このように目的によって適切なKPIが違うわけですが、必ずしもこれらのKPIに限定する必要はありません。あくまで動画広告を例に挙げたものなので、展開する動画マーケティングの種類によってKPIを変えることが大切です。例えば弊社のお客さまではブログのコンテンツに動画を埋め込み滞在時間をKPIとして測定していたり、オンデマンドウェビナーなどでは、視聴者が最後まで閲覧した割合などを計測していたりします。幸いなことにツールを利用すれば、誰がどこで試聴をやめたのかなどを確認することが可能です。

ステップ3. 具体的な期間と数値を定める

KPIとはそもそも最終的な目標に対する道しるべのような役割を持つものです。より上位には事業ゴールであるKGIがあり、それを実現するための道標ということです。

たとえば「3ヵ月で動画広告経由の売上を1.5倍にする」という最終目標があれば、1.5倍という売上拡大を実現するために何が必要かを考えてKPIを設定していきます。このとき、「1週間ごとの前週比を3%ずつ上げていく」や「月間クリック数を2倍に増やす」など具体的な期間と数値を用いることです。

そうすることで初めて「継続的に前週比3%増を達成するには何をすべきか?」というアクションが見えていきます。KPIは最終目標に対する指標でありつつ、今何をすべきかを考えるきっかけにもなるでしょう。

以上の3ステップで動画マーケティングのKPIを作成すれば、施策の効果測定が行え、継続的な改善に向けた取り組みが行えます。

GoogleアナリティクスなどKPIを確認できるツールを活用する

では、KPIを作成したあとクリック数や視聴回数を測定するにはどうすればよいのでしょうか?その答えは解析ツールを利用することです。たとえばGoogleアナリティクスは無料で利用でき、かつWEBサイトのアクセス数を測定したりページごとの離脱率を算出することが可能です。WEBサイトに埋め込んだYouTube動画の解析もできるので、動画マーケティングに限らず全てのマーケティングにおいて基本となるツールです。導入と利用には多少の専門スキルが必要ですが、そもそも高度なスキルを必要としないので非エンジニアでも使えます。

また、YouTubeで動画マーケティングを展開するのならばYouTubeアナリティクスを利用しましょう、YouTubeアカウントを開設すれば無料で利用できます。

GoogleアナリティクスやYouTubeアナリティクスといった無料ツールの他にも、Adobeアナリティクスなど有料でより高度な機能を備えているツールもあります。

また、専用の動画配信プラットフォームでは高度な動画分析機能がありますので、そのような動画配信プラットフォームを利用するのも良いでしょう。前述しましたがMAツールやVimeoなどと絡めて誰がどこまでウェビナーを試聴したのか、全部を試聴した人に対してナーチャリングメールを配信するなど高度なマーケティングも可能になります。

どのツールを導入すればよいかは「どの程度まで動画マーケティングの効果を測定したいか」「その次に何をしたいのか」によって違います。「有料ツールだから何でも活用できる」というわけでもなく、ツールごとに特長があるので、その見極めも大切です。迷ったときは動画マーケティングへ一緒に取り組むパートナー会社に相談するのもよいでしょう。

動画マーケティングのKPIで大切なことはPDCAサイクルを回すこと

KPIを設定して動画マーケティングを展開する上で大切なことは継続的にPDCAサイクルを回して施策効果を高めていくことです。PDCAサイクルとは「プラン(計画)」「ドゥ(実行)」「チェック(評価)」「アクト(改善)」のサイクルを回して、改善を繰り返していくことで施策効果を高めていくためのフレームワークです。日常的にビジネスに取り入れている方も多いこのPDCAサイクルが、KPI活用の成否を握ります。

動画マーケティングのKPIで大切なことはPDCAサイクルを回すこと

KPIを設定したということはすでに施策を評価するための環境は整っています。後はマーケティング計画を立案して実行に移り、KPIに従って施策を評価して改善点を見つけます。その改善点を再度マーケティング計画に盛り込み、実行、評価、改善とサイクルを繰り返していくのです。単純な理論でいえばこうしたPDCAサイクルを繰り返していくことで施策効果は高まっていきます。ちなみにPDCAサイクルによって継続的に物事が改善されていく様を「スパイラルアップ」といいます。

もちろん、改善を加えたからといって必ずしも施策効果が高まるわけではありません。KPIにまだ慣れていない最初のうちはPDCAサイクルを回しても施策に失敗するケースもあるでしょう。重要なのはPDCAサイクルを細かいスパンで回転させて、細かい改善を加えていくことです。そうして試行錯誤しながら軌道修正を行っていくことで、動画マーケティングの施策効果が徐々に高まっていきます。

動画マーケティングのKPI設定における注意点

KPIは何個までという基準がありません。とある大企業では、経営戦略のために1,000以上のKPIを設定していたという事例もあります。しかし、多すぎるKPIは進捗が追えなくなってしまい結果として取り組みに失敗するというリスクがあります。そのため、KPIを設定する際は多すぎず、最初のうちは数個程度に抑えておくとよいでしょう。また、誰でも理解可能なKPIにすることで関係者にゴールへの意識を徹底することが可能になります。

動画マーケティングが学べる本

この章では、動画マーケティングを学びたい人のための参考になる書籍本をご紹介します。こちらで紹介する書籍は私の参考になったものを掲載しています。もちろん、他にもたくさんありますのでご自身で色々と確認することをお勧めします。

売り上げ・集客に繋がる 動画マーケティング トーク術&撮影・制作テクニック

book1久松 慎一 (著), 江見 真理子 (著)

製品やサービスの魅力を動画で効果的に伝えるには?映像ディレクターが撮影・制作の基本を、アナウンサーが"伝わる"トーク術を徹底解説!

5G時代を間近に控え、世の中には数多の動画コンテンツが溢れています。動画制作者も多様化し、専門スタッフ以外の人々も動画を作る時代になりました。本書では自社製品やサービスをPRしたい企業広報や小売業の個人事業主など動画制作は初めてという方に向けて、製品・サービスの魅力が伝わる話し方、PR動画の制作ワークフローをやさしくまとめました。 

写真・文章 引用元:売り上げ・集客に繋がる 動画マーケティング トーク術&撮影・制作テクニック(amazon)

 

アクセス、登録が劇的に増える! 「動画制作」プロの仕掛け52

book2鎮目 博道 (著)

SNSやYouTubeなどの動画のアクセスや登録を増やす“仕掛け"を、元テレビ朝日のプロデューサーが、豊富な写真や図を用いて解説する。本書は、動画を制作するにあたって、撮影だけではなく、編集する際の「テキスト」「キャッチコピー」「構成」「声」「音楽」「ナレーション」など類書にはない内容にも言及。報道、ワイドショー、バラエティ、トーク、グルメなどほぼすべてのジャンルの経験を持つ映像のプロ(現AbemaTVのプロデューサー)が教える、30年かけて培った【動画作成の52の秘訣】。

写真・文章 引用元:アクセス、登録が劇的に増える! 「動画制作」プロの仕掛け52 単行本(ソフトカバー) – 2021/1/29 (amazon)

 

動画広告"打ち手"大全 ネット広告の新時代を勝ち抜く施策設計 最強の戦略74 (できるMarketing Bible)

book3鈴木雄翔 (著), 高橋俊輔 (著)

YouTubeや主要SNSで動画コンテンツは人々の間に透し、動画広告も成長を続けています。「5G」のサービス開始により、今後はさらに動画広告の重要性が増し、広告運用者やマーケターにとって避けて通れないものとなります。 本書では、動画の特性を知り動画広告施策の実施を判断する段階から、施策を成功に導く設計方法や運用者が中心となった制作の進め方など、動画広告施策全般に必要なノウハウを収録。動画広告にこれから取り組む方や、結果が出ずに悩んでいる方に必要な“打ち手"が見つかります。

写真・文章 引用元:動画広告"打ち手"大全 ネット広告の新時代を勝ち抜く施策設計 最強の戦略74 (できるMarketing Bible) 単行本(ソフトカバー) – 2020/3/6 (amazon)

動画マーケティングが学べるセミナー

動画マーケティングを本格的に学びたい方は、セミナーに参加すると言うのも一つの手段と言えます。ここではためになるセミナーを開催しているサイトをご紹介いたします。

宣伝会議

宣伝会議
株式会社宣伝会議が提供する宣伝会議が主催・協賛するイベントをご紹介します。
同社は1954年の月刊『宣伝会議』の創刊から始まった老舗企業です。その事業の根幹にあるのは「マーケティング」と「クリエイティブ」であり、まさに動画マーケティングに関しても色々な情報を提供しています。ぜひ定期的に開催される動画マーケティングに関するセミナーに参加してみてはいかがでしょうか。

宣伝会議が主催・協賛するイベントページ

動画マーケティングが学べるスクール

セミナーや書籍などで動画マーケティングの知識をつけることに加えて、体系的にじっくりと動画マーケティングについて学べるスクールに通うこともおすすめです。

例えばデジタルハリウッドでは「動画編集・ネット動画クリエイター専攻」などの中に「ネット動画マーケティング実践」などの教科項目もあり知識を身につけることが可能になります。

デジタルハリウッド

多くのスクールにおいて動画制作を主に学ぶものになりますが、その中に動画マーケティングの内容が包含されています。もし、動画制作なども興味がある場合には検討されてみてはいかがでしょうか。

動画制作・配信ならヒューマンセントリックス

業界トップクラスの動画制作・配信実績には理由がある。
高品質な動画を低価格で実現し、企画から撮影、制作、配信、そして納品まで万全な体制でお客様をサポートします。

動画制作・配信ならヒューマンセントリックス

詳細はこちら

動画マーケティングは5Gの普及で加速する

動画では、情報をわかりやすく・記憶に残りやすいかたちでユーザーに届けられます。ただし、有効な動画マーケティングには、ターゲットや目的を明確にし、それにフィットする配信メディアを選ぶ必要があります。そしてKPIなどを立てつつ、きちんと広告効果を分析することで、動画マーケティングを随時改善していくことも重要です。

5G普及にも併せ、さまざまな分野でデジタル化が進んでいる今日、ますます動画マーケティングは注目されています。

「動画マーケティングを始めたいが、具体的な方法がわからない」と躊躇している担当者も多いかもしれません。そうした場合、動画制作のスペシャリストに相談、依頼することが1つの解決策です。そうした制作会社の代表が、ヒューマンセントリックスです。BtoBに特化した動画制作・配信サービスを行なっており、BtoBコンサルタントが独自のノウハウを持って事前相談から制作・配信まで行なっています。また、最近ではSPOサービスというう映像の専門家を派遣するサービスやスタジオ設営、機器レンタルなども行なっています。

BtoB動画によってマーケティングを希望中なら、ヒューマンセントリックスへの依頼を一考していただけると嬉しいです。

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