昨今のデジタルマーケティングにおいて「ブランデッドコンテンツ」という言葉を耳にすることは多くなってきています。しかしながら、ブランデッドコンテンツの内容や意味を理解している人は意外と少ないのも事実です。
ブランデッドコンテンツとは何なのか?今回はその定義と重要性についてご紹介します。
ブランデッドコンテンツとは?
そのままの意味として捉えればブランデッドコンテンツは「ブランディングに寄与するコンテンツ」です。このように端的に言ってしまうと意外と人それぞれ曖昧な捉え方をする方も多く、実際、定義が確立されていない状況と言えるのかもしれません。
そもそも「ブランディング」とは何でしょうか?それは単純にブランド価値を高めるというよりも「顧客との信頼関係を築く」ことに本質があります。
ブランディングと聞くとお洒落でクリエイティブな動画や画像、もしくはインパクトがあり心に残る映像や画像を配信して、ユーザーがブランドに持つ印象を向上するための施策を想像しがちです。しかし、そうしたコンテンツによって「お洒落な会社だな」「面白い会社だな」という印象を抱いても、その会社に対する信用が増すわけではありません。
ブランディングの本質についてはコンテンツ以外で考えると分かりやすいかもしれません。たとえばクライアントから「xxxみたいなことがしたいんだけど…お願いできる?」と依頼された際に二つ返事で「できます!ありがとうございます!」と答えるのではなく、一度クライアントの立場になって考えてみます。最終的に「できます!」と返答する場合もあれば、「xxxなら今はまだ急がなくてもよいかと。まずはA社に依頼してみて、その結果を見てみたらどうでしょうか?」といったように、自社利益を顧みず顧客の状況を親身に考えていることが一番だったりするときもあります。このとき、クライアントとの距離がぐっと縮まったと感じることでしょう。
その縮まった距離を一言で表すならばそれは「信頼関係」です。この会社はクライアントの立場になってビジネスを考えたことで、自然とブランディングができたというわけです。つまりコンテンツにおいても、こうした顧客視点に立った提案を行い、ブランディング効果を高めることが大切になります。
「この会社に依頼すればきっちり仕事してくれる」、「何となく他社ではなくこの会社に頼みたい」という印象をクライアントに与えることこそがブランディングと言えるでしょう。つまりブランデッドコンテンツとは、ユーザーやクライアントとの信頼関係を築く上で、会社の想いや信頼性を伝えたりして、信用を獲得するようなコンテンツだと言えます。
ブランデッドコンテンツ=広告じゃない広告
ブランデッド広告は「ネイティブ広告の一種だ!」と考える人もいれば、「ブランドオリジナルのコンテンツだ!」と考える人もいます。いろいろな定義が存在し曖昧なブランデッドコンテンツですが、これはDIGIDAYにマーク・ダフィ氏が投稿したエントリに記載されている定義が一番しっくりくるのではないでしょうか。
その定義とは「ブランデッドコンテンツとは……つまり、広告である」です。実に単純明快な定義ですが、これがブランデッドコンテンツの本質を捉えているのではないでしょうか?
引用:誰も「ブランデッドコンテンツ」の意味を知らない:失業中コピーライター(54歳)の告白
ブランデッドコンテンツは一般的に、商品やサービスについて直接的に訴求するようなものではありません。どちらかというと商品やサービスには触れず、会社のブランド向上のために作成するものと考えられています。従って広告とは切り離して考える場合が多いのですが、ブランデッドコンテンツも広告だと考えるとしっくりくるところが多くなります。さらに「広告じゃない広告」と考えてみましょう。
たとえばブランデッド動画と広告動画にはユーザーの視点から、視聴態度に大きな違いがあります。広告動画はユーザーを強制的に視聴させるものです。YouTubeで動画を再生する際に広告動画が自動的に配信されますが、多くのユーザーにとっては「望んでいない広告」となる可能性を秘めています。今でこそ細かい設定によってユーザーの興味関心等に応じて動画広告を配信できるようになりましたが、それでも一部のユーザーはストレスを感じるかもしれません。
一方、ブランデッド動画の場合は基本的にユーザーが能動的に動画再生を行うため、広告動画に比べてストレスがかなり軽減されます。さらに動画自体をユーザーに面白いと思ってもらえれば、FacebookやTwitterなどのソーシャルメディアで拡散される可能性があり、大きな広告効果が得られます。「広告じゃないけれど広告のように宣伝効果を発揮したり、広告のような運用が必要になる」ものがブランデッドコンテンツだと言えます。
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ブランデッドコンテンツ制作にあたって
ブランデッドコンテンツを制作するにあたって考慮しなければいけない点は、通常広告とは違い「リーチ数が保証されないこと」です。広告動画の場合、プラットフォームでの設定によってどのターゲット層にリーチするかを設定したり、リーチ数を保証することができます。しかしながらブランデッド動画は一般配信なので、リーチ数が保証されず、効果測定も難しい側面があります。
そのため、企業が発信したいメッセージをただ盛り込むのではなく、クリエイティブさは必要になります。ただお洒落なコンテンツがユーザーやクライアントとの信頼関係構築には貢献しないにせよ、ユーザーがお洒落なコンテンツを好んでいるということは事実だからです。なので、ブランデッドコンテンツは企業として盛り込みたいメッセージと質の高いクリエイティブを両立させることがカギになります。
ブランデッドコンテンツは必要なのか?
もちろん、どうしてもブランデッドコンテンツが無ければビジネスが成り立たないというわけではありません。ただし企業ブランドのステージを1つ上昇させ、ユーザーやクライアントとの信頼関係を築きたいのであれば、ブランデッドコンテンツの制作・配信に対して積極的になるべきでしょう。
たとえばオランダ発の時計ブランド「ダニエル・ウェリントン(Daniel Wellington)」は、スウェーデン出身のインフルエンサーとコラボしたYouTube動画がブランデッドコンテンツの成功事例として知られています。その内容は、旅好きなインフルサーがダニエル・ウェリントンの腕時計を付けて、仲間たちと砂漠地帯を旅するというものです。映画鑑賞しているような感覚でぐっと映像に引き込まれます。動画終盤にはインフルエンサーがダニエル・ウェリントンのオンラインショップで使用できる15%割引のコードを言う以外、宣伝文句はなく、コメント欄を見てもスポンサーに対するネガティブな意見はほとんど見られません。「広告じゃない広告」としてブランデッドコンテンツに成功した良い事例でしょう。
もっとも、こうしたブランデッドコンテンツを制作するには膨大な手間と時間がかかるのも事実です。そのため企業は事前に、クリエイター、ターゲット層や動画配信プラットフォームのポリシーなどを入念にリサーチする必要があります。
ただし莫大な手間と時間をかけなくてもブランデッドコンテンツの制作は可能です。これらからのコンテンツ制作や配信にあたって、ブランデッドコンテンツ制作を得意としている制作パートナーを見つけることが大切かもしれません。そのような企業がいらっしゃいましたら弊社ヒューマンセントリックスまでご相談ください。
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